中・大規模向けの「W2ユニファイドコマース」の評判は?

最近社名をW2ソリューション株式会社からW2株式会社に変更しましたが、その理由は、リピートPlusなどの複数のサービスが存在していましたが、ブランド名を統一するにあたり、会社名を変更したようです。

W2には複数のサービスがありますが、年商が億を超える中大規模向けのECプラットフォームとして「W2 ユニファイドコマース」を提供しております。端的に言えば、ユニファイドコマースやオムニチャネルなどの店舗とECを連動したプラットフォームです。

本日は、W2 ユニファイドコマース(W2 Unified Commerce)を検討している方向けに、評判をまとめてみたのでご覧ください。

W2 ユニファイドコマースの特徴とは?

まず、クラウドのプラットフォームでありながら、中大規模向けの企業が必要なカスタマイズができることです。特に、中大規模向けのECサイトに求められるのは、バックエンド作業の負担低下や、システム連携です。

通常、ASPのようなクラウドシステムは、カスタマイズやシステム連携が苦手です。なぜならクラウドサービスは、他の企業とサーバーやソフトウェアを共有しており、個社固有のカスタマイズは困難だからです。

しかし、W2はクラウドでありながら、中大規模向けの個別のカスタマイズを提供しており、また、中大規模向けに求められる、以下の点に優れています。

・店舗とECのシステム連携
・セキュリティー対応

しかし、当然中大規模向けのECプラットフォームであるため、費用感は安くはないです。

ASPからより上位のシステムに乗り換えできるのがW2の良いところ!

W2には、月々数万円から利用できるASPのD2C向けのW2リピートがあります。D2Cは流行りであり、大企業も新規事業やテスト的にASPを使ってECサイト運営を行う場合があります。しかし、注文数が増えてくると、やはりASPでは対応できません。

W2であれば、W2リピートを利用している場合、比較的カンタンにより上位のプラットフォームに乗り換えができます。これは大きなメリットです。

なぜなら、ASPであってもシステムを乗り換える時には、大きな労力が発生しますし、またECリニューアルのタイミングで、SEOの蓄積が新ECシステムに引き継げないで、売上を大きく落とすことがあります。

そのため、スムーズに乗り換えができるというのは大きな魅力なのです。

セキュリティに強いのがクラウドプラットフォーム

フルスクラッチやパッケージのECプラットフォームと比べると、クラウドの方がセキュリティ対策をベンダー側が行っているので、セキュリティが強いのが特徴です。もちろんフルスクラッチやパッケージでもセキュリティ対策をマメに行えば同じですが、事業会社ですとセキュリティの意識より売上の意識が高くなりがちです。

その点からもクラウドのプラットフォームがセキュリティは高めと筆者は考えます。※もちろんクラウドのシステムでも情報漏洩事件は起きてますので、セキュリティが完璧なものはありませんが、それでも比較的クラウドのシステムはセキュリティが高いです。W2も自社のサイトでセキュリティがナンバー1とうたっています。

W2セキュリティ

今後さらにOMO/オムニチャネル機能の拡充を予定

2023年12月、W2は今後のアップデート予定として、オンラインとオフラインの相互送客に加え、オンラインでも実店舗のスタッフの接客力を活かすなど、OMO/オムニチャネル機能の拡充を発表しました。

もともと店舗とECの連携に強いW2 ユニファイドコマースですが、今後のアップデートで、より店舗とECがシームレスにつながったサービスの提供が可能になるため、優れた購買体験が得られるEC構築が実現できるでしょう。

新機能は、下記の通り3つの領域において追加されます。

◆EC領域

① 店舗送客(ECで返品を受け付け、店舗で返品する)
② クリック&コレクト(ECで購入した商品を自宅以外の場所で受け取ることができる)
③ ECから店舗在庫の確認や取り置き

◆リアル店舗領域

① POSによるECと店舗の連携
② エンドレスアイル機能(店舗で品切れした商品を、その場でECで注文できる)
③ ショールーミング店舗対応

◆スタッフソリューション領域

① 店舗スタッフによる、Instagram、動画配信、LIVEコマース、ブログなどを活用したオンライン接客機能の製品サービス化

引用:W2株式会社 プレスリリース(2023年12月12日)

W2 ユニファイドコマースの費用感

ホームページを見るとW2ユニファイドコマースには、2つプランがありました。

W2プラン

まず、スタンダードプランですが、おそらく初期費用は数百万円~で、月額費用は10万円規模だとおもいます。その根拠は、他のパッケージでカスタマイズやシステム連携を大幅に行わいプランの価格帯はそのくらいだからです。

もうひとつのエンタープライズ向けのプランですが、筆者の推測ですと初期費用は数千万円~が基準になってきます。というのも、W2ユニファイドコマースが必要ということは、ECの年商も多くは数十億円規模の企業であり、初期費用が1億円を超えることも珍しいことではありません。特別W2が高いというわけでもなく、同じ領域が得意な、ecbeingやebisumartでも同じ費用感になるはずです。

また、オムニチャネル案件は開発期間も長いため、筆者の経験ですと、早くても1年~くらいはかかります。工数がかかると、SEやプログラマーを確保するために費用はかかりますから、数千万円~というのは妥当な金額です。

W2 ユニファイドコマースの機能は?

まず、決済サービスは特定の企業ではなく、発注側で選べるようです。決済会社10社対応と表記されているので、おそらくほとんどの大手決済会社に対応していると思います。ECサイトのリニューアル時に、前システムに不満があるものの、決済サービスに不満がない場合は、ECのシステムだけ乗り換えたいものですが、それが可能なベンダーということです。

パッケージの中には、特定の決済会社が対応していないというケースはよくあるので、その点は良いですね。

また、細かい機能については、エンタープライズ向けであることから、よほどこだわりのある独自機能でない限り、ECの代表的機能に対応しております。また提携パートナーも、EC業界を代表するツールやソリューションを提供する企業が揃っています。

旧リピートプラスを利用している方はなら、W2の上位プランへの乗り換えが楽

ECシステムの乗り換えは結構大変です。もし、それが年商1億円以上であれば、ベンダーに丸投げというわけにもいきません。もし、W2リピート(旧リピートプラス)を利用して、D2Cを実施している企業で、これから単品通販から総合通販に機能を拡張する場合などは、そのままW2ユニファイドコマースを利用すべきでしょう。なによりリニューアル時に発生する費用負担が安くなるからです。

もし、リピートプラスに不満がある場合は、他のベンダーにも声かけをすることになりますが、その際は、リニューアルを含めた3年後くらいまでのコストシミュレーションを行ってから、どの会社が良いのか決めてみましょう。

W2 ユニファイドコマースのライバルは?

ライバルは同じエンタープライズ向けのパッケージやクラウドベースのECプラットフォーム会社です。

1社目:ecbeing(イーシービーング)

もはやエンタープライズ向けのナンバー1企業のecbeingです。W2と違うのは、パッケージシステムであるため、陳腐化しやすいというデメリットがあります。しかし、それでもecbeingが社内の開発体制や経営がしっかりしており、業界でもバグが少ないプラットフォームで評判です。ただ、EC導入後のカスタマイズ費用が高いという声は良く聞かれます。

中大規模向けのECのコンペには必ず顔を出す代表的企業です。

ecbeingの記事はこちらから → ecbeingの評判は?【大手ECパッケージ】

2社目:ebisumart(エビスマート)

ジャンル的には、W2ユニファイドコマースの一番のライバル企業ではないでしょうか?なぜなら、クラウドでありながらカスタマイズできるシステム。そして、ターゲット企業がともに中大規模向けのプラットフォームという点で、コンペでも激突していると思われます。

W2ユニファイドコマースを検討するなら、比較対象としてコンペに呼ぶと良いでしょう。

ebisumartの記事はこちらから → ebisumart(えびすマート)の評判【中・大規模EC向きのクラウドEC】

まとめ

W2は、クラウドでありながらカスタマイズやシステム連携ができるので、最も時流にのったシステムの一つではないでしょうか?導入者数も多いことから、年商が10億円を超える企業には有力なシステムとなります。

ただ、数千万円からの費用が必要となるので、先に紹介したecbeingやebisumartとよく比較検討して、導入すると良いでしょう。

おすすめ記事!【ECパッケージ徹底比較】年商10億円以上に最適なECパッケージは?

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