BtoBに特化の「Bカート」の評判と考察

最近、BtoBに特化した「BカートASP」を導入する企業が増えています。公式ホームページによると、導入社数は300社を超え、中小のBtoB企業がターゲットのEC-ASPです。

日本の中小のBtoB企業は、業務効率化されてない企業が今だに多く存在し、その実態は伝票の紙や、エクセル管理での手作業で業務を回している企業も大変多いのです。そのような中に安価で、しかもECによって販路を広げることのできる「BカートASP」は3万円以下で導入できるため大変魅力的です。

安価に導入できることから、公式サイトによるとすでに導入企業は1500社を超えております。1500社というのはなかなかの企業数で、パッケージナンバー1企業のecbeingでも1500社ですから(ASPとパッケージを比較するのも難しいかもしれませんが)急激に導入者数が増えている印象です。

本日は「BカートASP」について、詳しく解説してまいります。

「ECサイトを持ちたい!」BtoBの中小企業は導入の価値あり!

自社でBtoB用のECサイトを検討している企業は多いと思います。しかし、社内には

「インターネットでこんな専門部品を誰が買うんだ!」
「一般の人から問い合わせきたら対応どうするんだ!」

という声もあると思います。しかし、自社の営業社員が数十年かけて作った販路以外にも、実際は多くの需要があり、インターネットで公開することにより、取引先を増やしたBtoBのECサイトの例は数多くあります。

また、BtoBのECサイトを公開した企業には「個人からの問い合わせが予想以上に多く、BtoC用事業を急遽立ち上げた」という例や、「日本語サイトなのに海外から問い合わせが来た!」という例まであり、ECサイトを持つと、多くの可能性があるのです。

「うちの取引先は限定しているビジネスだからECサイトは不要!」

という企業にも「BカートASP」ではクローズドのECサイトを構築することができるため、IDとパスワードがないと、そのECサイトを見ることができないのです。

しかも、下記のネット担当者フォーラムの事例をみると中小企業だけでなく大手企業の1部門やあるいは大手の子会社にも導入されているようで、かなり幅広いBtoB事業者に入っている印象があります。

ネット担当者フォーラムの記事

BtoC用のECサイトでは対応ができない!という場合も!

例えば、BtoC向けに工具を販売しているメーカーが、BtoB対応を、BtoC向けのECサイトでおこなうとしても、

・請求書払い
・銀行振込

など、日本のBtoBの場合は、決済方法がBtoCとは異なり、普通のBtoC向けのECサイトでは対応できません。また、BtoB向けに決済機能を開発するのもコストがかかり、BtoC向けのユーザーにも影響があるため難しさがあります。

それであれば、BtoB向けにあらたにBカートを導入すれば、非常にスムーズに顧客を、BtoCとBtoB向けにわけて運営することができます。

ASPだからとにかく安い!月額費用

そうは言っても「BカートASP」はコストが高いのではないか?と思われますが、以下は「BカートASP」の公式サイトから引用した価格表です。

◆「BカートASP」の価格表

画像引用は公式サイトより:https://bcart.jp/plan/

企業規模や要件によって、プランを検討しますが、一番安い月額9800円「ライトプラン」は「とりあえず、ECサイトを作れれば良い」という人向けですが、どうせなら月額29800円の「プラン30」からがいいのではないでしょうか?

なぜなら、単なるBtoBECサイトの導入だけではなく、業務効率化ができるからです。

どのプランも初期費用が80,000円かかりますが、ある程度の企業規模であれば、さほど問題のある金額ではないでしょう。

超大手企業もBカートをテスト的に導入する理由とは?

筆者の知り合いの話なので、企業の名前は言えませんが、誰もが知る超大手企業の部門にもBカートはテスト的に導入されたと聞きます。

その理由は、本格的なECサイトをいきなり導入してもなかなか上手くいきませんので、まずは、3万円程度で利用できるBカートを導入して、1年間運用して、ECサイト導入の課題を洗い出して、そののちにパッケージの何千万円もするECサイトを導入したと聞きました。

つまり、Bカートは手軽に導入できるために、本格的なカスタマイズECを導入する前に、ECテスト的に導入するというケースで利用されたのです。

話だけだとカンタンですが、テスト導入とはいえ、Bカートの機能が多機能だったからこそ、大手企業の運用にも耐えれたのだと筆者は考えます。

受発注システムがなく伝票やエクセルなどの手作業中心の企業が導入すれば業務効率化が可能!

BtoBの特徴と言えば

・取引先によって価格設定が異なる
・取引先によって商品ラインナップが異なる
・新規顧客と既存顧客では決済方法が違う

こういった複雑な要素がBtoCの商習慣と大きく異なります。だからこそ、ECサイトを持っていない企業も多いのです。

しかし、BtoBに特化した「BカートASP」であれば、

・取引先毎に異なる掛け率の設定
・取引先毎に商品ラインナップを変更する
・新規顧客は決済会社経由で、お得意さんには掛け売りで

といったBtoBでよくある問題がクリアーになるので、BtoBのECサイトを持つことで、これらの処理が最初に一度設定すれば、自動化されますから「電話や伝票をエクセルに打ち込む」などの手作業は無くなるだけでなく、誤発注がなくなり、クレーム対応も激減するでしょう。

さらに

「営業社員が客先で、ECサイトを使って見積りを出す、発注処理を行う」

といった使い方が可能で、営業社員はより「営業」に専念する時間を増やすことができるのです。こういった機能が月額30,000円程度で使えるのは、日本のASPでは「BカートASP」だけではないのでしょうか?

しかし、

「うちは取引先と一緒にEDIを使っているから、業務効率化ができている!」

という企業も、顧客データを活用したマーケティングを行っていないのではないのでしょうか?

中小のBtoB企業が最新のWEBマーケティングを行うことも可能!

ECサイトを導入する大きなメリットの一つが「顧客データ」を使った最新のWEBマーケティングを行える点です。例えば以下のような事例です。

「見込み客の規模によってセグメントを分けて、送付するメールマガジンの内容を変えて、自動で定期的な間隔で送付するCRMやMA(マーケティング・オートメーション)」

「自社ECサイトを訪問した見込み客に対して、バナー広告を行いECサイトへの再訪問を促すリマーケティング広告」

「自社サイトに再訪問した見込み客のみに、ポップアップやチャットボックスを出すWEB接客ツール」

このようなBtoCで使われている手法の最新のWEBマーケティングがBtoBでも可能であり、当然これらの機能は「BカートASP」と連携して、別途マーケティングツールを導入することができます。

そしてこららの導入は、タグをサイトに埋め込むだけなので、少しの設定ですぐに導入することが可能です。

Googleアナリティクス(GA4)の導入も、アプリを提供しているので、カンタンにBカートに導入できます。

コロナ禍には、テレワーク促進のためのBカート!

下記記事によると、テレワークができない理由のベスト3が

・FAXが会社に届く
・自社での出荷業務
・紙で郵送する請求業務

だそうです。しかし、Bカートを導入すれば、受発注業務をFAXからECサイトに切り替えることで、テレワークが可能になった事例も紹介されております。

BtoBのバックヤード業務の自動化を。 スモールスタートで「手軽に」「スピーディーに」

関西は関東に比べてテレワーク率が低く、その原因の多くは関西の方が、中小企業、製造業が多いためと言われております。製造業であればBカートを導入して、受発注業務をECカートに切り替えてみるべきでしょう。

BカートASPのライバル企業は?

ASPでは「アラジンEC B2B CLOUD」と「インフォマート」あたり

同じASPの価格帯のECプラットフォームでは、「アラジンEC B2B CLOUD」がライバルになるでしょう。しかし、最低価格帯が36,000円からということもあり、「BカートASP」の方が導入しやすいでしょう。

アラジンEC B2B CLOUDの公式サイト

また、インフォマートもBtoB向けで非常に有名なECサイトです。インフォマートは特に飲食業界で強く、飲食業界では50%以上が導入しているECシステムです。

飲食業界に強い!インフォマートのECサイトの評判は?

これらは機能に差があるわけではありませんが。価格帯の近い両社ですから、比較検討をして画面のインタフェースや欲しい機能があるかどうかで選ぶことをおススメします。

中・大規模規模のBtoBECサイトならカスタマイズ可能な「ecbeing」や「ebisumart」という選択肢!

BtoBのシステム化は、個社毎に複雑な要件がからみます。「BカートASP」はBtoBに特化しているだけに、BtoBに必要な多くの機能がありますが、ASPの弱点はカスタマイズができないことです。

ECサイト構築の予算を1,000万円以上出してもよいという企業は、ECパッケージの最大手の「ecbeing」やフルカスタマイズ可能な「ebisumart」を検討してみましょう。両社ともにクラウドECのパッケージです。

また、ある程度の規模の企業にはシステム連携が必須となります。こういった要件はASPではカスタマイズができないので、クラウドEC(カスタマイズ可能な)の領域になります。

ecbeingやebisumartについてはこちら ==> クラウドEC導入のメリットとデメリット【大手3社とは?】

ASPのECサイト導入のコツは、ASPに業務フローを合わせること

「BカートASP」は、ASP(アプリケーション・プロバイダー・ソフトウェア)です。こういったASP導入のコツは、自社の業務フローをASPに合わせてしまうことです。

ASPのデメリットはカスタマイズができないことですが、BtoBに特化した「BカートASP」は豊富なBtoB用の機能がありますから、「うちは業務フローが独特だからな~」という企業も、業務フローをASPに合わすことができれば、安価で大変効率の良いシステムになります。

検討されている方は、まずは自社の受発注の仕組みなどの、カンタンなフロー図にまとめてから、問い合わせてみると、話もスムーズになるでしょう。それが困難な場合は、コンサルタントに依頼することで、業務フローをまとめ、ECサイト導入を手助けしてくれます。

BtoBにおいて、ECサイト導入には大きなメリットがありますので、中小企業こそ、イーコマース導入を積極的に行うべきでしょう。

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