ショップサーブ(shopserve)は株式会社Eストアーが運営会社で、大手ASPの1社です。
中小規模のECシステムとしては、MekeShop、フューチャーショップと並んで相当普及しているシステムです。
では、なぜこれだけ普及したのでしょうか?もちろん1999年の開業ということもあり、先行者メリットもありますが、これだけ支持された背景にはサポート体制があります。
中小企業がECサイトを始める時に、最初に思うのが「ノウハウがない。。」「誰かに教えてもらいたい」という悩みですから、そういった点が支持されてきたと思います。それでは、ショップサーブの解説をいたします。
ECショップが初めての企業に向いているショップサーブ
ショップサーブの特徴はなんといっても、そのサポート体制や代行ビジネスモデルにあります。自社にITリテラシーが高いメンバーがいて、自力で覚えながらECサイトを運営できる方は、Shopifyが良いのかもしれません。
しかし、これからECショップを初めて準備する方々にはノウハウがありません。そうなると「管理画面が使いやすい」「SEOが強い」というECプラットフォームであっても、使いこなすことができません。
ショップサーブは、ECシステムとして機能が豊富でありながら、サポート体制や代行ビジネスがあるため、まったく経験のない企業も頼る先を作ることができます。
MakeShopやフィーチャーショップだと、決済会社との契約も都度となりますが、ショップサーブは、決済もサポートも全てをワンストップサービスで受けられるので、EC初心者でも非常に安心なサービスとなるのです。
安心して開業できるECサイト制作代行のパートナー
ショップサーブ自身が、150種類のデザインテンプレートがあり、しかもHTMLとCSSを組み込めるので、自由にECサイトをデザインすることが可能なASPです。ですから「ある程度テンプレートでいい!」という方から「作り込みたい!」という方まで、対応できます。
しかし、ECサイトの運営経験がない人にとっては、「テンプレートっていっても何を使っていいのかわからない」「ある程度こだわりがあるけど、HTMLがわからない」という事業者さんが多いでしょう。そんなときに使えるのがショップサーブの制作代行のパートナー企業です。
画像引用:ショップサーブの資料
ECショップのブランドイメージやこだわりがある方には助かるサービスです。ショップサーブにはパートナー会社が複数おり、制作代行企業のパートナーを紹介してもらえます。ECプラットフォームで、デザインを作る際は、必ずそのECプラットフォームに慣れている会社を使うべきです。デザインもですが、工数も変わってくるので相対的に安く抑えることができるからです。
また、よくあることなのですが、ECサイトの経験のない会社に制作代行を依頼すると「お~キレイなページだ!」と一見するとカッコいいページができますが、まったく売れないECサイトになることがよくあります。
ですから、ECショップの場合は通常の制作会社ではなく、ECショップのノウハウのある会社に制作代行を依頼するに越したことはありません。これ以外にもバナーや、ページごとの細かい仕事も依頼できます。ただその場合は結構高くついてしまいます。
ECショップを始めるときの悩みが「腕のいいWEB制作会社を知らない」ということですが、ECショップの経営が慣れるまでは、ECノウハウのあるショップサーブのパートナー企業にWEB制作をまかせてみても良いでしょう。
リピート購入させるためのCRMに力を入れている!
ショップサーブでは、他のプラットフォームと強く差別化するために「リピート購入」に力をいれております。新規注文から顧客情報を取り込み、その取り込んだユーザーに対して、しっかりリピート購入を促すための機能が満載です。
例えば、ショップサーブではユーザーにメルマガをセグメントにわけて送付することも、1対1のようなメールを送るのもカンタンで、すでにメールのテンプレートが用意されており、それを編集することで、ユーザーにメルマガを送付することができます。
また、その具体的方法も、サポートに聞きながら試すこともできるので、はじめての人に安心な機能と言えます。どんなに高性能のプラットフォームでも、使いこなせなければ意味がありません。価格帯が少し高いのは、しっかりリピート購入をしやすいプラットフォームとなっているためです。
有料のセミナーやDVD
毎月1回の3時間の有料セミナーが用意されています。値段は1万8000円です。ECショップの経験のない方は、ぜひ行くことを勧めます。肌で学ぶことや刺激が代えがたいものがありますし、懇親会もあるので、他のECショップの人と親睦を深めましょう。
また、DVDは1枚千円で、SEOから商品の写真の撮り方まで説明してありますので、こちらも購入してみるのもいいでしょう。ただし、すでに経験がある人には不要なものです。
今時のSEOはワードプレス連携が必須!ショップサーブも対応済み!
ECショップをこれから開業する人も気になるのが「ショップサーブはSEOに強いのか?」という点ですが、この点はどのECシステムを使っても、強い弱いはありません。当然ショップサーブも「最新のSEOロジックをテンプレートに反映」と言っておりますが、売り文句です。
ただしショップサーブがSEOに優れているとしたら「ワードプレスに連携可能」という点です。現在は昔のように、リンクを貼って、対象のページを一気にSEO上位にするようなことができません。現在のSEOとはコンテンツマーケティングです。
つまりブログ形式で、その商品について徹底的に批評やメリットとデメリットを書いた、ユーザー満足度が高いコンテンツがSEO上位になることができるのです。例えばこのブログもコンテンツマーケティングの一環です。このブログも狙ったキーワードでSEO1位~3位を独占しています。
そしてコンテンツマーケティングに最適なSEOプラットフォームは、ワードプレスです。なぜワードプレスはSEOに強いのでしょうか?それは、ブログを作成するのに必要なプラグインが無料で、大量に提供されているからです。
これらのプラグインを使えば、ユーザーにとって見やすいブログが作成でき、そしてその結果、滞在時間が伸びて、Googleから評価されるからです。
このワードプレスをショップサーブで使うとなると、別途初期費用が4500円程度に、月額1000円かかります。ちょっと高いですね。
決済手段がとにかく多い!カゴ落ちさせない!
Makeshopと同様に決済手段がとにかく豊富です。
画像引用:ショップサーブ資料
決済方法は「クレジットカード」があれば大丈夫!と思っていてはだめです。例えばECサイトの商品が若年層が多ければコンビニ決済は必須です。若年層はクレジットカード所持率は低く、世代にあわせた決済方法を用意しなくてはいけません。
極論するとECシステムのASPは、どこも機能が豊富で差別化が難しいですが、決済方法はASPに依存してしまいます。ですから自分のECサイトの商品のターゲット層を考慮した決済手段を用意しなくてはいけません。
ちなみに聞いた話ですが、ショップサーブでは指定の決済代行会社は選べないようです。指定の決済代行会社(おそらくショップサーブ?)を使う必要があるようです。まーこの点はたいして影響がないと思いますが。
ショップサーブの料金体系は月額「2万5,000円」から!
MakeShopに比べると少し高めの料金体系です。
初期費用:30,000円
月額費用:25,000円~※
※商品数、顧客数、トラフィック数、有料オプション、売り上げに応じた決済手数料などによって費用は異なる
データ引用先:ショップサーブの費用例
価格帯を見ると、Shopifyの方が安い印象ですが、Shopifyでも結局、有料アプリを多数使用するとショップサーブと同じような月額になるので、そこまでショップサーブが高いというわけではないでしょう。
また、Shopifyと比べるとサポートが厚いので、「サポート不要な人はShopify」で、「サポートが欲しいひとはショップサーブ」でと明確にタイプが分かれるでしょう。またShopifyは日本語表記対応とはいえ、普通に以下のような言葉が表示されます。
◆Shopifyのとある管理画面の表記の例
「○○をフルフィルメントしてください」
これは、日本人には難しい表現の日本語表記になっていることが多数ありますので、日本製のプラットフォームの方が、ITリテラシーが低い方には安心です。
オートスケーリングに対応!(大量注文時にありがたい)
例えば、自社のECサイトがテレビで取り上げられると、全国から一斉に注文が入り、ECサイトが止まります。そうなると多くの失注が生まれてしまいます。しかし、以下の記事によると、ショップサーブはサーバー移行を実施したことで、急なアクセス増にも対応できるようになったそうです。
→ Eストアーショップサーブがサーバ環境を移行し、失注回避も強化
ただ、ショップサーブが導入されているネットショップは、そこまで大手企業がいないので、このオートスケーリングがどこまで需要があるかわかりませんが、いずれにせよありがたい仕組みです。
ショップサーブのライバル企業は?
MakeShop(メイクショップ)
MakeShopもショップサーブも、もはや機能や対応決済方式、などに大差がありません。どちらも高機能ECシステムです。選らぶポイントはコストとサポートの両軸です。ECサイト運営にある程度ノウハウがあるならMakeShopでいいでしょう。
しかし、ノウハウがないのならショップサーブの方が、サポートや代行ビジネスが充実しています。
MakeShopの記事はこちらから → MakeShopの評判は?【集客力が強いネットショップASP】
Shopify(ショピファイ)
Shopifyはショップサーブと対局にあるプラットフォームと言えます。Shopifyには9000を超えるアプリがあり、極論すれば、どんな機能でも実装することができます。ただし設定はご自身で行う必要があり、また、アプリ同士がコンフリクトすることもあるので、ITに自信がない人はおススメできません。
ただし、ITに自信があって、スピード感もってECを運営したいという方はShopifyは非常におススメです。
→ 世界で一番使われているShopifyを日本のECで導入!評判と考察
フューチャーショップ
フューチャーショップもよく比較検討されます。フューチャーショップはアパレルの事例が多く、デザインや機能に優れていると評判です。
アパレルはECの中でも、ECの機能が最も使われる分野なので、アパレルECの機能実績がそのままEC業界での機能実績となるのです。フィーチャーは業界ではかなり評判の良いシステムです。
フューチャーショップの記事はこちらから → フューチャーショップ2や2Xの評判は?【多機能ASPサービス】
ASPのECシステムを卒業して、大規模ECサイトを目指す
もし、あなたがECシステムの売上を順調に増えてきたのなら、やがてショップサーブやMakeShopではECのバックエンド作業が効率が悪くて、運営の効率化を考える必要があります。
どんなに高機能のECシステムでもASPの最大の弱点は、拡張性、つまりカスタマイズができない点です。売上が1億を超えるようになると、ECパッケージを導入して自社システムや外部システムと連携を考えます。このステージになるとASPではなく、ECパッケージをカスタマイズするのが一番です。
ecbeing(イーシービーング)
ecbeingは、ECパッケージ会社の最大手の会社です。料金が高いのがデメリットですが、高い安定したシステムで、大きな障害などは聞いたことがありません。また業界ではオムニチャネル実績も豊富で、最近はECシステム構築とともに、クライアントのマーケティング業務に専念しています。
ecbeingの記事はこちらから → ecbeingの評判は?【大手ECパッケージ】
ebisumart(えびすマート)
ECパッケージで急成長している会社です。そしてとてもユニークで、ECシステムのコンペにはよく呼ばれます。それはECパッケージの弱点はASPと違って、システムが古くなることですが、ebisumartは、ASPとECパッケージのいいとこどりで、拡張性と最新性の両方がある、クラウドECシステムだからです。
ebisumartの記事はこちらから → ebisumart(えびすマート)の評判【中・大規模EC向きのクラウドEC】
ショップサーブは、ECショップ初心者向き!
本日はショップサーブについて解説しました。あまり機能について解説しなかったのは、すで高機能で、その点が差別化するポイントではないからです。つまりショップサーブの最大のメリットはサポート体制だからです。
値段だけで決めるなら他のASPの方が安いですが、とにかくこれからECシステムを開業するには、サポートや代行ビジネスが充実しているショップサービスがおススメです。
しかし、十分にECノウハウがある場合は、単に値段が高くなるので、他のECシステムを検討しましょう。その時は3年後のECショップの要件も入れてください。なぜならECシステムの移行には大きなコストがかかるので、最初からサーバー容量を増強することを念頭にいれれば、ECの移行が発生しませんよ!
おすすめ記事!【ECパッケージ徹底比較】年商10億円以上に最適なECパッケージは?