定期販売に強いECシステムの侍カートの評判

数年前まで侍カートは、安い定期販売のASPというイメージでした。しかし、最近は機能拡張や、カスタマイズに力を入れてきており、現在ではASPの中でも高機能の分類になります。料金も高めのECカートというイメージで、月額料金も7万円~になっています。

ですから、導入を検討される場合は、ある程度の売上が立っている中小企業以上でないと、採算は合いません。

定期販売や頒布会のECサイトで、侍カートを検討している場合は、「たまごリピート」との比較になり、自社ECサイトで実現したいこと、ターゲットの属性に合うのは、どちらのECカートなのか?を検討しなくてはなりません。

本日は、侍カートを検討している方の向けに、侍カートの特徴や他のECシステムとの比較などを詳しく解説いたします。

侍カートの特徴

「たまごリピート」のライバルで定期販売のECに強い印象でしたが、ここ数年で、価格帯が一気に変わりました。ひと昔前は「月額9800円」からはじめられるASPでしたが、現在は「月額70,000円」からになり、その分機能の充実を図っています。

アップセル機能などは結構こっており、定期販売をやるためにマーケティング機能がずいぶんと強い印象を受けます。

定期販売の機能がベースとしてあること、そして下記の機能を取り上げてみました。

WEB接客機能「どの画面でもアップセル」

特に機能の中でも、「WEB接客機能」に力を入れています。例えば「どの画面でもアップセル」は、ある製品をカートに入れた方には、2個セットをおススメするなどアップセルして、売上を伸ばす機能です。

この機能はカートに入れずに、閲覧だけしたユーザーにも、アップセルのリコメンドを行います。通常のASPのECシステムだと、売上増に結びつく機能はあまりないものですが、こういった仕組みは導入するだけで、売上増に結び付くので、侍カートの検討の一つになると思います。

しかも、この機能は、一番安いプランの「ASPプラン」でも、オプションではなく、ディフォルト機能として使えるので、オプション料金がかからないのは嬉しいところです。

ちなみに、このサービス。著作権侵害行為で「売れるネット広告社」から訴えられております。事の真偽においては筆者はわかりませんので、コメントを差し控えます。※でも、訴えられるくらい、効果が出る仕組みだということが暗にわかってしまいますね。

追記:ちなみにこの裁判は和解が成立し、現在はこの機能が削除・修正されました。売れる広告社のホームページには「許してあげることにしました」とおおよそ法人とは思えないメッセージングにビックリしました。。

フォーム一体型LPで、WEB広告の最大化を!

この機能は、ランディングページにフォームを埋め込むことができ、離脱を防ぎ、CV(購入数)数を最大化する施策です。ページの遷移が多ければそれだけ離脱ユーザーを増やしてしまうことになります。

ですから、ランディングページにフォームを組み込むことができれば、その分、離脱を防いで売上を伸ばすことができるのです。通常のECシステムのASPは、こういった機能は対応していないケースや、オプション機能で提供することが多いのですが、侍カートはディフォルト機能として提供しています。

ただし、この機能。ランディングページを上手く作るノウハウがないと意味がありません。ですから

EC運営者「現在、ランディングページでCVが取れている。もっと成果を上げたい!」

という方にお勧めだと言えます。

現在、ランディングページのノウハウがないECサイトさんは、まずは、腕の良いWEB制作会社にランディングページ作成を依頼して、リスティング広告で、ノウハウを蓄積するところからはじめましょう。

CRMツール「MOTENASU」と連携し業務効率化を実現!

侍カートの開発元である株式会社FIDが提供するCRM/MAツール「MOTENASU」と連携することで、顧客管理、ステップメール配信、フォームの最適化など、業務効率化と顧客へのアプローチを強化する機能が活用できます。

特に顧客へのアプローチ機能としては、メールやLINEなどのオンラインチャネルだけでなく、郵送DMなどのオフラインチャネル、あるいはSMSなど様々なチャネルを使い分けてのシナリオ配信が可能です。

定期販売を行う上では、顧客にアプローチする施策が非常に重要になるため、このような機能は効果的です。

侍カートは、他にも基幹ツールやショップ一元化ツール、あるいは物流システムやコールセンターなど多くの外部システムとの連携に強く、非常に拡張性が高い点も特徴のひとつと言えます。

侍カートの価格プランは3つ!フルスクラッチプランも有り!

侍カートは、現在、ASPの中では、高めの料金価格です。まずは下記のプラン表をご覧ください。3つのプランがあります。

面白いのが、ASPなのにカスタマイズ可能という点です。ASPのECシステムの特徴のひとつが、クラウド共有サーバーを使っている点ですが、カスタマイズ内容によっては、サーバーを共用から、専用サーバーに使い分けています。

価格感も、月額30万円の「フルスクラッチプラン」は、すでにECパッケージの領域に踏み込んでいます。

こういった点を踏まえると、まずはASPプランで導入し、サイト年商が1億を超えた段階で、「フルスクラッチプラン」を検討するのが良いでしょう。

実際のところ最初からフルスクラッチプランを新規に申し込む人より、すでに侍カートを使っている方がフルスクラッチプランを申し込み方の方が多いと思います。なぜなら同じECシステムのままカスタマイズできるのは、ECシステムのステップアップするときに、都合が良いプランです。

ASPのままで年商1億を超えると、バックエンド作業の効率が頭打ちとなりますから、システム連携が必要になりますし、さらなる売上向上の施策のために、カート画面のシステム変更などが必要となってくるからです。

ただ、その際は、クラウドECや、ECパッケージなど、ASPよりもレイヤーの高いECシステムも検討することになるでしょう。ASPベースのカスタマイズだと、一気に売上をあげたり、大規模なシステム連携をする場合に、抜本的なシステム修正が厳しいためです。

侍カートのライバルは?

ECサイトの定期販売業界のライバルは「たまごリピート」

侍カートの一番のライバルは「たまごリピート」です。なぜなら両社とも定期販売や頒布会に強みがあるからです。

定期販売や頒布会は、一定のサイクルで、定期的お届けする「化粧品」や「食品」に使われます。この分野ではディアゴスティーニが有名ですね。

定期販売には独特のECのノウハウが必要で、システム的には「親受注」と「子受注」という考え方があり、子受注で発送周期に対応させ、決済課金と自動連係しなくてはなりません。

定期販売機能という点では、両社とも必要な機能は全てあります。しかし、定期販売に特化した小規模のサイトであれば、たまごリピートの「ASPプラン」がおススメです。なぜなら月額が49800円で、侍カートより安いからです。

しかし、将来のECシステム拡張性や、売上をあげる仕組みの豊富さで言えば、「侍カート」がおススメでしたが、2018年にたまごリピート側も、「たまごリピートNext」を販売し、年商100億円の企業も対応可能なカスタマイズができるサービスをリリースしました。

価格帯も侍カートとたまごリピートNextは完全に合わせてきており、この点も両方とも互角となりましたので、そうなると実績はやはりたまごリピートの方が上かもしれません。

たまごリピートの記事はこちら → たまごリピートの評判【定期販売と頒布会に強いASP】

ただ、侍カートから感じるのは、「売れる広告社」からも訴えられるくらい、売れるための機能の実装に相当熱心ですから、どちらが上かは一概に言いづらいですね。

年商1億円超えたらクラウドECの「ebisumart(えびすマート)」

侍カートやたまごリピートには、「フルスクラッチプラン」や「専用サーバープラン」が用意されていますが、もともとがASPベースのECシステムなので、限界があります。

ASPシステムの最大の弱点は、年商が1億円を超えると、バックエンド作業が手作業中心で、ミスも増えますし、効率も悪くなります。さらに楽天やAmazonといった、ショッピングモールに出店していると、大変です。

そういった場合は、「基幹システム連携」あるいは「顧客データベース連携」、「ショッピングモール連携」などが可能な、クラウドECを検討しましょう。もちろんこれらの連携は、ECパッケージでも可能です。

しかし、ASPのシステムからECパッケージに移行すると、ASPの最大のメリットの「最新性」が失われてしまいます。ですから、ASPからのバージョンアップを検討する際は、システムが陳腐化しないクラウドECがおススメです。

クラウドECの国内最大手はebisumartです。ecbeingもクラウドECをリリースしましたが、ecbeingは元々、定期販売や頒布会を苦手としており、この領域では、定期販売に実績があるebisumartがおススメです。

ebisumartの記事はこちらから → ebisumartの評判【中・大規模EC向きのクラウドEC】

侍カートがおススメな企業とは?

定期販売や頒布会などのECサイト商品を扱っている場合は、侍カートを検討することになります。しかし、その際「たまごリピート」と比較することになります。

ASPプランであれば、たまごリピートの方が、2万円近く安くなりますが、両社を読んでコンペで決める形になります。少し私の独断ですが、

新規顧客に力を入れる場合は、LPや、アップセル機能が豊富な「侍カート」がお勧めで、コールセンターがある場合などは、「たまごリピート」が連携機能があります。電話受注が多い場合は、「たまごリピート」の方が、マニュアルや細かい機能が豊富です。

両社を比較検討して、自社のビジネスフローや、注力したいポイントが、どちらが相性が良いのか検討してみてください。

その際、気を付けたいのが、必要のない機能で検討してしまわないようにしましょう。※どちらも機能豊富ですから、この点は気を付けましょう。

筆者の個人的な意見、侍カートの公式ホームページが変わった??

この記事を2023年5月に更新するにあたり、久しぶりに侍カートの公式ホームページに行くと、サイトが運営会社の1サービスという位置づけの感じが強くなりました。

以前は、侍カート単体のサービスという印象でしたが、この間に何があったのか筆者にはわかりませんが、運営会社がカート導入(侍カート)よりもOMO事業に力を入れているため、その影響かもしれません。

最後に

最近はASPも機能が豊富になってきており、ECのフロント機能としては、申し分ありません。特に侍カートは、売上をあげるための機能開発や、外部連携に注力している印象です。

ただ、筆者としては、従来の侍カートの強みの定期販売機能の押しが、ホームページを見る限り、弱い気がします。数多くのECシステムがありますから、その中で定期販売に強いというブランディングこそが、侍カートの差別化要素だと筆者は考えます。

新規機能や新しい外部連携の要素を、従来の強みの定期販売に結び付けて、訴求すると、もっと侍カートが業界で目立つのではないかと考えます。

おすすめ記事!【ECパッケージ徹底比較】年商10億円以上に最適なECパッケージは?

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