BASEとどっちが良いのか?「STORES」の評判と解説

STORES(ストアーズ)は、無料でネットショップを開業するプラットフォームとして、最も有名なプラットフォームの一つです。そして、同じ有名なプラットフォームのBASEと比較されることが多いでしょう。

STORESとBASEのどちらで、ネットショップを開くべきかと言えば、筆者ならSTORESを選択します。

なぜなら決済手数料がSTORESの無料プランの方が安いからです。わずかな決済手数料の差ですが、長くネットショップを経営すると、わずかな決済手数料の差も大きくなります。また、途中でプラットフォームを変更するのは大変ですから、STORESから始めるべきだと筆者は考えます。

本日は、ECのプロである筆者が、STORESの評判をライバルのBASEと比較しながら解説するので、これからSTORESを検討する方は、是非参考にしてください。

STORESとBASEの違いの5つのポイントとは?

まず、STORESもBASEも、立ち上げるのはカンタンです。誰でも無料で行うことができます。また使い勝手も大差ありません。

大きな違いになってくるのは、下記の5つのポイントです。

ポイント①STORESの方がクレジットカード手数料が得!BASEにはシステム利用料3%がプラスされます。

両社ともに、月額料金などはかかりませんが、商品が売れた時にクレジットカード決済手数料が発生します。両社の無料プランにおける決済手数料の差は以下の表のとおりです。

◆無料プランの手数料比較

システム利用料 決済手数料
BASE 3% 3.6%+40円
STORES 無し 5%

一見すると、BASEはシステム利用料が別途かかるので、実質6.6%+40円となります。この40円と固定額は1注文ごとにかかるので、決済手数料がSTORESよりも明らかに高い印象です。

細かい機能でBASEとSTORESに違いがありますが、特別なことをしないのであれば、STORESの方が絶対におススメです。

長くビジネスをやると、手数料の差が徐々に大きくなってくるからです。長くネットショップをやっていると、手数料が高いのは気になるのですが、システムの入れ替えはカンタンではありません。

例えば、1商品が1,000円の場合

STORESでは1回の取引で50円の手数料がかかります。
BASEでは66円 + 40円(固定費)=106円の手数料がかかります。

商品1つ当たりの差額はわずか56円ですが、これが100回、1,000回と積み重なるとどうなるでしょうか?

100回の取引の場合

  • STORES:5,000円の手数料
  • BASE:10,600円の手数料
    → 差額は5,600円になります。

さらに、1,000回の取引になればその差額は56,000円とかなり大きくなり、ビジネスの利益に大きな影響を及ぼすため、手数料の安さはECのプラットフォーム選定には大きな要素となるのです。

ちなみに両社の有料プランを比較してみると、下記の通りです。これは売上によってどちらが得なのかは変わってきますが、月の売上が100万以上なら、BASEのほうがお得になってくるでしょう。

◆有料プランの比較

月額料金 決済手数料
BASE 5,980円 2.9%
STORES 2,178円 3.6%

ただ、これから始める小さなネットショップ運営では、なかなか月間100万円は超えませんので、有料プランであってもSTORESでネットショップを始めるべきだと筆者は考えます。

ポイント②BASEは「Pay ID」との連携あり!だが、STORESはGoogleと連携している!

BASEですが、実はPay IDというショッピングアプリがあり、BASEで人気のショップになると、Pay IDがそのショップを紹介してくれるようになるためアクセス数が増えます。

私の知り合いはBASEで月間7万円くらいの古着ネットショップをやっていますが、コツコツとリピーターを増やして、売上を高めた結果、Pay IDアプリに取り上げられて、さらにネットショップの露出が増えると言う好循環になっているのです。

ただし、そこまで露出力が高いわけでもないので、ないよりあった方が良いと考えるべきなので、この点は「オマケ」程度に考えても良いと思います。

しかし、STORESも負けてはいません!なんと2023年にGoogleと連携を開始しました。その結果、STORESに登録した商品が自動でGoogleマーチャントセンターに登録され、Google無料リスティング広告(カンタンに言うと無料ショッピング広告)と連携出稿されるのです。

これは非常に便利なのですが、BASEの利用者もGoogleマーチャントセンターに登録することで、この無料リスティング広告を出稿することができます。ただ、自動連携はすごく良いですね。

とはいえ、STORESやBASEの集客の基本は、InstagramなどのSNSです。集客はSTORESであろうと、BASEであろうとご自身でSNS運用を一生懸命にやることになります。

ポイント③振込(入金)スピードはBASEの方がかなり早い

下記をご覧ください。

◆振込スピード

・BASE 基本10営業日(最短翌営業日※審査あり)
・STORE 最長60日(月末締め、翌月末払い)

これを見るとわかる通り、売上が指定した自分の銀行口座に入ってくるタイミングが圧倒的にBASEの方が早いのです。資金繰りの悪い事業主にはSTORESの入金の遅さは痛いところです。ただしSTORESでも翌日入金のオプション「スピードキャッシュ」がありますが、手数料がさらにとられるので、これはやめておいたほうがよいでしょう。

ただ、個人の趣味レベルのネットショップであれば、入金が遅くても良いかもしれませんね。

ポイント④独自ドメインの設定が無料なのはBASEだが、そもそも本当に必要か??(STORESは有料プランのみ)

BASEで独自ドメインを設定する費用はかかりません。しかし、お名前ドットコム等でドメインを取得する際は、お名前ドットコムに年間数千円程度の費用がかかります。

独自ドメインの必要性を整理しましょう。独自ドメインではない場合は、サブドメイン、つまり下記のURLが用意されています。

◆BASEの場合のサブドメイン

https://〇〇〇〇.theshop.jp など

◆STORESの場合のサブドメイン

https://〇〇〇〇.stores.jp/

※〇〇〇〇のところはすでに使っている人がいなければ自由に設定できます。
※BASEは(base.shop/shopselect.net/base.ec/theshop.jp/
handcrafted.jp/fashionstore.jp/buyshop.jp/supersale.jp/
official.ec/kawaiishop.jp)から選択

私のようなEC経験者が見れば「あーこのネットショップはBASEか。。」と一目瞭然ですが、買い物する方からは何の違和感もありません。しかも両社とも「shopやstore」という単語が混ざっており、違和感ゼロです。

そしてドメインに関係する話はSEOの観点ですが、サブドメインで十分です。

そもそも現代のSEOは課題解決型のブログ形式であり、特定のキーワードに向けて、競合他社を圧倒した記事のみが、SEO上位になります(コンテンツマーケティングやコンテンツSEOと言います)。

ネットショップのSEOで重要なのは、商品のユニーク性や話題性になります。例えば競合がいない製品のBASEの「オッサンレンタル」は、ニュースでも取り上げられ、検索する人がいます。そして競合がいないため、「オッサン レンタル」で検索すれば、必ず1位です。

自社オリジナル商品ではなくとも、例えばアディダスの極めてレアなジャージの古着を取り扱っている場合、写真とともに商品詳細情報を詳細に書けばSEO上位になります。

つまり、SEO知識がなく、予算のない個人が、自然検索で商品へのアクセス数を増やすためのポイントは下記に3つです。

①写真をキレイに撮り、ディティールもわかるようにできるだけ多くの写真を掲載
②商品詳細情報をしっかり書く。その際はキーワードなど意識しないで、購入者の立場になって、どういうところが気になるか?を深堀して、全てを丁寧に記載
③競合がいないユニークな商品を企画

よくある間違いは、ブログを開設して「毎日なんでも良いから更新すれば、アクセス数が増える」という対策ですが、はっきり言って無駄です。その余力はブログ更新ではなく、商品の撮影や商品説明の更新に使うべきです。

ポイント⑤配送代行はBASEの方が少し安い

STORESには「倉庫サービス」という商品の

・保管
・梱包
・発送

までを一括で行うサービスがあります。しかし、BASEにもアプリで「EZLOGI」というサービスと手軽に連携でき60サイズが一律726円と、STORESの765円よりも安くなります。サイズにより価格が違うので一概には言えませんが、60サイズを利用するネットショップは、BASEの方が安くなります。

ただ、配送代行を使うということは、ネットショップの規模感もそれなりに大きくなってこないと使いませんので、これからネットショップを開業する多くの人には関係がありません。

STORESのBASE以外のライバルは?

「Shopify」のベーシックプラン

固定費が無料ではありませんが、Shopifyを検討している人も多いのではないでしょうか?ShopifyはSTORESやBASEに比べると、設定が非常に難しいでので、ITに自信がある人ではないと使いずらいでしょう。ただし、使いこなせる自信がある方でしたら、多くのアプリが提供されているため、実現したいことが低コストで実施できます。

つまり、Shopifyは上級者用となります。ITに自信のない方は迷わずSTORESが良いと思います。

Shopifyの記事はこちらから → 世界で一番使われているShopifyを日本のECで導入!評判と考察

BASEはクレカ審査が無い!

BASEの長所をあげると、クレジットカード決済は「BASEカンタン決済」によりBASEが仲介に入って決済する形になるので、クレジットカード決済の審査がないことです。ですから、ショップのオープンに時間がかからないのがBASEの強みとなります。筆者もSTORESで最近ネットショップを作りましたが、クレジットカード決済の審査に5営業日程度かかりました。

また、クレジットカード決済は事業者のビジネスによっては却下されることがあるので、この点が不安な方は、BASEで始める方が良いと思いますよ。

店舗経営者はクレカ決済のSTORES決済をいれるとECサイトのSTORESと一本にまとめられる!

STORESのメリットとしては、STORES決済という店舗のクレカ決済がある点です。ECサイトと別々のシステムを使うよりは、システムをSTORESに一本にすると楽ですよね。STORES決済は昔は「コイニー」というシステムでしたが、数年前にSTORESと合併したため、店舗とECの決済が同じシステムとなりました。

しかし、BASEとスクエアも提携したため、今後はEC、店舗を問わず決済会社がまとまりそうで、事業者としては管理が楽になります。

無料ASPでは手狭になったときはクラウドECを検討しよう!

個人のネットショップから始めて、売上を爆発的伸ばしたり、あるいは思いのほか売れるケースは、STORESやBASEではバックエンド業務が大変になります。一日に50件〜100件の注文の場合は、MakeShop for クラウドや、それより大規模のecbeing、ebisumartを検討しましょう。

クラウドECについては、こちらの記事をご覧ください。 → クラウドEC導入のメリットとデメリット【大手3社とは?】

最後に

ここまでご覧いただければ、あなたのネットショップに使うべきECは、決済手数料や無料の観点からSTORESだということが分かったと思います。

ひと昔前はBASEとSTORESの機能面の違いはかなりあったのですが、昨今の互いの機能改善により、大きな差はほとんどありません。しかし、決済手数料の差は、、、埋めがたい差となりました。今はSTORESの方が良いと筆者は考えます。

結論を言えば、機能での差別化はなく、ただ決済手数料で決めて良いと思いますよ。

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