これからECショップを立ち上げたい方は、まずは固定費や月額が安い、最小限の内容でECショップをスタートさせたいことでしょう。
そういう方におススメなのが「カラーミーショップ」です。なぜなら月額0円からというフリープランがあり、さらにECショップとしてそれなりの機能があるますし、デザインテンプレートも自由に設定できるからです。
ただし楽天での出店経験がある方には、少し物足りないと思われます。そういった方はMakeshopを検討した方がスムーズでしょう。
それでは本日は「カラーミー」について、詳しく解説していきます。
カラーミーの特徴は安いこと!
カラーミーの最大のポイントは費用が安いことです。料金プランは下記のように3種類にわかれております。
◆月額料金
①フリーープラン 0円
②レギュラープラン 4,950円 <== 筆者のおすすめ
③ラージプラン 9,595円
※②、③は初期費用として3,300円かかります。
筆者が強くすすめるのは、②レギュラープランです。
なぜならカラーミーを選択するということは、ある程度ECの機能や自由性に制限をかけても最低限でECショップを行うということですから、③を選ぶ場合は、価格的には自由度の高いショッピングASPのMakeShopやショップサーブも検討候補に入りますから、カラーミーを選択する意味がありません。
また①は無料で始められますが、やはり機能制限が多く、また決済手数料も受注あたり6.6%+30円(税抜)と高いので、ある程度しっかりしたECサイトを構築したいのであれば、やはり②を起点にするのがベストです。フリープランの機能については下記をご覧ください。
フリープランの場合は?
①のフリープランでできないことは、下記のとおりです
◆月額0円でできない事
✔アクセス解析が制限あり(有料で全機能開放)
✔クーポンの発行
✔定期購入
✔常時SSL(有料)
✔都道府県別配送日設定
✔名入れ機能
✔年齢制限機能
✔商品レビュー
✔フォローメール
✔FTPアップロード
✔GoogleAnalytics eコマースの利用
カラーミーを選択するということは、ECを立ち上げたばかりという方がほとんで、アクセス自体も少ないはずです。クーポン施策や、商品レビュー機能などは最初は必要なく、まずは集客や実店舗からのECサイトの宣伝などが重要なファクターですから、これらの機能は必要ありません。
フォローメールが必要な場合はカラーミーからではなく、自分で行えばよいでしょう。ECショップ立ち上げ時は、そんなに件数が発生しません。
FTPアップロードも、商品登録数が多い企業が必要な機能ですし「GoogleAnalytics eコマース」による分析もすぐには必要ありません。通常のGoogleAnalyticsは使えるので、カラーミーのアクセス解析機能をフルで使える必要もありません。
ただし常時SSL化については、昨今では導入が当たり前となっていますし、ECサイトという性質上、有料でも導入しておくべきでしょう。
カラーミーの特徴
ブログ施策からSEO集客できる「どこでもカラーミー」
カラーミーには「どこでもカラーミー」という集客施策のための機能が提供されております。下記ボタンの画像をご覧ください。
このボタンは、実はカラーミーの管理画面から、発行されるタグを自分のブログなどにはりつけることで、ブログからECサイトにカートインさせることができるのです。
ECショップをスタートしたばかりのときは、アクセス数をあげるのに苦労すると思いますので、こういった機能は嬉しいです。
・アメブロ
・FC2ブログ
・ワードプレス
など、有名ブログサービスに対応しています。もしコンテンツマーケティングで、ブログマーケティングによるSEO施策ができる担当者でしたら、ブログ経由で、ECショップの売上を爆発的にあげることも可能です。
月額0円でもフリーページが10ページも作れる!
商品ページ以外にも、会社概要やFAQなどのページを作成したい方も、カラーミーのエコノミープランでは、10ページもフリーページが作れるので、最小限のECショップを作る場合に不自由を感じることはありません。
テンプレートは81種類から選べて、HTMLもCSSも編集可能
月額0円であっても、しっかり作り込めばユーザーからは、立派なECサイトに見えるでしょう。テンプレートは無料・有料あわせて81種類(2021年5月時点)も用意されていますから、そこから自分のECサイトの業種に最適なテンプレートを選びます。
また、HTMLやCSSの技術がある場合は、テンプレートに編集を入れることも可能です。しかもこれらのテンプレートをもとに作成したECショップは、スマホ最適化がされているので、そういったことで頭を悩ませる必要もありません。
AIによる商品写真の自動作成も可能
近年、AIが世の中を席巻し、様々な業界でAI技術の導入が進んでいますが、カラーミーショップもいち早くこのAI技術に着目し、2023年3月には、AIが商品情報をもとにして最短10秒でSNSに投稿する宣伝文を生成する機能を開発しました。
そして、さらに技術を進化させ、2024年1月にAI商品写真作成サービス「Fotographer.ai」の提供を開始。これによりサイト内やマーケティングで使用する商品写真をAIにより自動生成できるようになりました。
商品写真をアップロードして、作成したい写真のイメージをテキスト入力したり、あるいは用意されたテンプレートを選択するだけでクリエティブな商品写真が短時間で作成できるので、より魅力的な商品ページが誰でも簡単に作ることが可能です。
参考:EC構築サービス「カラーミーショップ」、アプリストアにてAI商品写真作成サービス「Fotographer.ai」提供(TECH+)
カラーミーはGMOグループだからサポートが充実
ECショップの立ち上げで、ITやWEBのリテラシーが低い担当者が一番気になるのは、サポート体制です。しかしそういった点も、運営会社がWEB業界の大手GMOグループですから、不安な方も安心です。
もともとが、レンタルサーバーやドメイン取得代行サービスからはじまった会社で、問い合わせも多い業種ですから、サポート体制は充実しています。ただし電話とメールによるサポートですから、Face to Faceのサポートを望む方には向いていません。
ECショップの制作代行やランサーズで制作を依頼できる
ITやWEBに全く自身がない担当者や、忙しくて、店舗の立ち上げを代行したい場合は、カラーミーの運営会社を通じて、制作代行サービスを依頼することができます。細かい価格表がホームページにありますが、下記を目安にしてください。
◆制作代行サービス(丸投げの場合):300,000円~
◆部分的なカスタマイズサービス:8,000円~
ただ、カラーミーを使うということは、予算をかけないというASPですから、制作代行を使ってしまっては意味がありません。ランサーズとも連携してるので、さらに安い金額で制作を依頼することが可能です。
ただし、制作依頼するといっても、デザインコンセプトや、文言を決めたりは自分でしなくてはいけませんから、完全に丸投げするのは不可能です。
決済の導入はカラーミーペイメントを使えば楽だが手数料が高い
決済の導入は、カラーミーペイメントが用意されているので、そのサービスを利用すれば、クレジットカード決済や後払い保証のコンビニ支払いなど、幅広い決済方法に対応しています。導入は楽ですが、手数料が高いというデメリットがあります。
カラーミーペイメントは月額手数料などかかりませんが、クレジットカード決済の場合、手数料が4%~5.5%ももってかれます。イプシロンの場合は3.6%です。
ただしイプシロンは月額手数料が5,000円別途かかりますから、導入前にシミュレーションをしてみた方がよいでしょう。
ただ「提携しているサービスが安心」という場合は、カラーミーペイメントを使います。もし、クレジットカード決済の売上が伸びてくる場合などは、決済収納代行会社の見直しを検討しましょう。
カラーミーAPIを使えば高度な連携も可能
カラーミーは、店舗管理ツールの「zaiko Robot」と連携可能ですし、さらにカラーミーはAPIを無料で提供しています。
このAPIを使えば、外部システムとの連携も可能です。(格安ASPなのにすごい拡張性です)しかしAPIは無料で提供されていますが、その開発は自分たちで行わなければなりませんから、このAPIを使うユーザーはほとんどいないと思います。
またそれだけの技術力があれば、カラーミーではなく、ec-cubeを選択する方がほとんどのはずです。
ただカラーミーで運営した結果、ショップの売上が伸びて、バックエンド作業が増えた場合、このAPIを、システム会社に依頼して、外部連携により、ワークロードを削減する選択肢があります。まーそこまで売上が伸びれば、カラーミーではなく、ECパッケージを検討しましょう。
アイテムポストに出品可能
アイテムポストというのは、MakeShopが展開しているショッピングモールで、そこに出品することが可能です。つまり、ECの集客をアイテムポストが一部になってくれるので大変便利です。
ただし、手数料もかかるので、よく調べてからこの機能を使いましょう。
カラーミーのライバルECシステムは?
BASEやSTORES
カラーミーと同様に無料プランがあるECシステムは、BASEやSTORESが良いでしょう。デザインは相当限られてきますが「まずは立ち上がればよい」という方には決済手数料が5%と安いSTORESがおススメです。
最近は、BASEもSTORESもかなり機能拡張しているので決済手数料の差別化要素がほとんどありませんね。詳しくは下記の記事をご覧ください。
MakeShopやショップサーブ、フューチャーショップ
もう少しECとしての機能をもとめるなら、MakeShopやショップサーブ、フューチャーショップを検討することになるでしょう。システム連携はできませんが、ECサイトのフロント機能は、ほぼ全てまかなうことができます。
ただし、ほとんどのECシステムの機能が使われないことが多いので、まずは「どんな機能が必須なのか」を定義してからがいいでしょう。
格安のASPのカラーミーにするのか?あるいはMakeshopを検討するかの基準は、3年後の売上予想や、実現したいことを想定することです。現在はカラーミーで十分でも、1年後には、カラーミーでは手狭になることも考えられます。
そしてECの引越しには大変な手間がかかりますから、将来のことを考えて、ASPも検討しましょう。その目安が3年後までです。
また、ECプラットフォーム業界では、MekeShop、ショップサーブ、フューチャーショップは御三家と言われており、機能はほとんどおなじですが、業界では下記のような分け方があります。
MekeShop <==多機能、他実績
ショップサーブ <==サポートから決済までワンストップ
フューチャーショップ <==デザイン性高い、使いやすい、アパレル事例多い
これを念頭に選べばよいと思います。
システム連携が前提の場合は、ECパッケージ
BtoBや売上が数千万円になるようなサイトには、カラーミーだと手に余ります。カラーミーのプレミアムプランなどありますが、システムによる制限は多いため、ASPサービスではなく、ECパッケージを検討しましょう。
ecbeing(イーシービーング)
ecbeingは馴染みのない方もいると思いますが、ECのパッケージの最大手です。日本の大手の小売りのEC事業者でECサイトを検討する時は、必ず名前があがるECパッケージです。
どんなシステム連携やカスタマイズも可能ですが、金額が高く、システムが古くなる弱点があります。
ecbeingはこちらの記事で以前まとめました → ecbeingの評判は?【大手ECパッケージ】
ebisumart(えびすマート)
システムが古くならないASPのECシステムを使っている人に相性の良い、パッケージはebisumartです。なぜならASPと同じく、絶えずシステムが更新されるために、システムが古くならないからです。
ecbeing同様、安くはありませんが、ASPからECシステムの引越しには非常に相性が良いでしょう。
ただ、カスタマイズやシステム連携は限定的ですが、ASPに近いプラットフォームで、低価格で導入できるebisumart zero(エビスマート ゼロ)という商品もありますので、こちらも併せて検討してみるとよいでしょう。
ebisumartはこちらの記事で以前まとめました → ebisumartの評判【中・大規模EC向きのクラウドEC】
カラーミーが向いている方
カラーミーショップを利用する方は、ECショップの経験がまったくなく、とりあえずはじめたいという方に向いています。もし楽天などに出店していた方が、カラーミーを使うと「物足りないなー」ということになります。
カラーミーの魅力は月額0円から、そこそこのECショップが作れることです。まずはECショップを立ち上げて、経験を積んだあとに、もっと良いECシステムを検討してもおそくはありません。
ただし、最初からある程度の売上目途がたっているケースなどは、Makeshopやショップサーブ、フィーチャーショップなどを高くても検討したほうが良いでしょう。なぜならECシステムの入れ替えには、多くの労力とコストがかかります。
ECシステム導入のときは、3年先の売上も念頭に入れて、ECシステムを検討するのがコツですよ。
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