Orange EC(オレンジイーシー)は、株式会社エスキュービズムが運営している、ec-cubeをカスタマイズして作ったパッケージです。
Orange ECの最大の長所はなんでしょうか?それは、エスキュービズム社の別のソリューションのOrange-Pos(オレンジポス)というタブレットPOSとOrange ECと連携するO2Oやオムニチャネルの提案力です。
タブレットPOSの自社ソリューションを持つ、Orange EC社、この点において、他のECパッケージ会社よりも一歩秀でています。
しかし、弱点と申せば、そもそもec-cubeの脆弱性をそのまま引き継いている点です。ただ、この点ホームページによると2019年4月にオリジナルソフトウェアとしてフルリニューアルしたそうです。なので、すでにec-cubeではないのかもしれませんが、その点については不明です。
本日はOrange ECを検討している方のために評判をまとめてみましたので、ご覧ください。
Orange ECとec-cubeは何が違うの?
Orange ECはオープンソースのec-cubeをカスタマイズしたパッケージです。ec-cubeは当然無料ですが、Orange ECは有料です。価格も200万円〜という事で、Orange ECは中〜大規模向けのECパッケージに向いています。
タブレットPOSの「Orange Tablet POS」との連携もスムーズな事から、オムニチャネルの構築などの案件にむいているのがOrange ECです。
公式サイトより引用:Orange Tablet
ただし、ベースがec-cubeであることから、オープンソースのセキュリティー脆弱性をOrange ECも引き継いでいるのを忘れてはいけません。
ただし、現在のホームページを見ると、もはや「ec-cube」の情報が全く見つかりませんし、下記のような表現が強調されております。
特長1 PHP/Laravel(ララベル)フレームワークによる完全オリジナルソフトウェア化
2007年より13年の歴史を持つEC-ORANGEが2019年4月に完全なオリジナルソフトウェアとして最先端のフレームワークとテクノロジーを活用し、フルリニューアルしました。 2022年1月にはこれからのECサイトに求められる様々な要素を、ECサイト/オムニチャネル提供のリーディングカンパニーとしての見地から新たに実装し直した大規模アップデート版をリリースしました。引用:公式サイト
上記の文言は公式サイトから持ってきたのですが、オリジナルソフトウェア化をうたっています。ec-cubeもたしかPHP7を使っているので、どうなんでしょうか?
ひょっとしたら、あまりに「ec-cube」という評判が経ち過ぎて、コードを書き換えてオリジナルにしたかもしれませんが、そこはなんとも言えません。
ただし、ソースコードが開示されている以上は、ベンダーの制約を受けずに開発ができるという利点もありますが、情報漏洩などのリスクがあるということも、ある程度覚悟しておく必要があります。
公式サイトより引用:Orange Tablet
Orange ECの価格感は?
下記表の通りです。
無料のec-cubeベースだからと言って安くはありません。価格帯は大手パッケージ会社と張り合うくらいです。またオムニチャネル案件などは数千万円かかります。そういった事からも中~大規模向けのECサイトの価格帯です。
EC年商1億円の企業が対象になってくるでしょう。
Orange EC(エスキュービズム)の特徴や機能は?
Orange ECの特徴は、OrangePOSとの連携によるオムニチャネル案件に強い事です。またエスキュービズムは提案力が高いため、オムニチャネル案件でのコンペでは勝率が高いです。
また、ec-cubeをベースにしているとはいえ、カスタマイズにより、6つのラインナップを用意しています。
①ショッピングモール構築
②ECサイト構築
③O2Oシステム構築
④オムニチャネルシステム構築
⑤Web-EDI/B2B ECサイト構築
⑥グローバル対応ECサイト構築
また960社の導入実績は、パッケージ大手の中でも多い方です。また、ECを自社で保守・運営したいという会社にも、対応しており、ソースコードを開示しているため、技術力のある会社なら自ら保守できるでしょう。
ただ裏返すと、ec-cubeベースのため、彼ら曰く「ec-cubeはとてもわかりやすいコードのため」といっていますが、保守は基本行っていません。ホームページに「保守契約を結ぶ事は可能です」と書いておりますが、その契約書には、「ec-cube本体のバグには対応できない」旨が書いてあるはずです。
つまり通常のパッケージ会社ならば、障害があれば「ふざけるなー!すぐ直せ!」(極端ですが)と言えば対応してくれるのが当たり前ですが、ec-cubeベースのOrange ECは、障害内容がec-cube本体の問題の場合は、そうもいかないのです。
つまり、Orange ECは、技術力のない会社や、こういったリスクを承知でないかぎり全くおすすめはできません。こういったリスクといっても契約書をよーくみないとわかりませんので、現在導入している会社でも知らないで契約している会社は多いと思います。
ただ、2019年4月にOrange ECはフルリニューアルしたそうなので、現在はEC-Cubeの脆弱性があるのか、ないのか、、よくわからないのが筆者の正直なところです。
また、直近のニュースでは、NFTパッケージソフトウェア「stoNeFree」と連携が実現し、これによってNFT化したデジタル商材を扱うサイトの構築が可能となりました。次世代技術のNFTへの対応はEC構築パッケージとしては先進的で、今後の大きな強みになりそうですね。
参考記事はこちら
Orange ECのライバルは?
ecbeing
オムニチャネル案件などは、ecbeingとがちがちでコンペにあたっています。オムニチャネルの提案力はOrange ECに軍配があがりますが、システムの安定感はecbeingが一枚も二枚も上手です。
ecbeingの記事はこちら → ecbeingの評判は?【大手ECパッケージ】
ebisumart(えびすマート)
ecbeing同様にオムニチャネル案件では、コンペで争っていますがPOSのebisumartはオムニチャネル案件では苦戦気味です。とはいえ、ebisumartはASPと同じようにシステムが古くならないのに、カスタマイズが可能なECシステムです。ebisumartだと中長期的にはコストは安く抑えられます。
ebisumartの記事はこちら → ebisumartの評判【中・大規模EC向きのクラウドEC】
最後に
エスキュービズムは、マーケティングに非常に長けている会社です。ECがらみの事をGoogleで検索すると、必ずOrange ECのサイトかブログにひっかかります。そのリーチ力は、業界最大手のecbeingと互角かそれ以上に感じました。
しかし、そのせいか、今はビーングもエビスマートも、MakeShopやフィーチャーショップもSEOに力をいれはじめたためか、最近はあまり目立たなくなってきた印象をうけます。
またクライアントの提案力も強く、コンペの勝率も高いです。
そして、ec-cubeベースだったのですが、現在ホームページでは全く情報がなく、作り替えたのかもしれませんので、Orange ECを検討する時は、事前に聞いてみた方がいいと思います。
おすすめ記事!【ECパッケージ徹底比較】年商10億円以上に最適なECパッケージは?