フューチャーショップ(FutureShop)は企業向けECサイトのプラットフォームとしては非常に評判の良いシステムです。その理由は、アパレル業界から高い支持を得られている点です。
なぜなら、ECサイトにおいて、あらゆる業界の中でアパレルECが最もデザイン的や機能的に最新であり、そのアパレルECの中で事例や実績が豊富なフューチャーショップは、それだけでも、他のプラットフォームよりも優れている証明となるはずです。
本日はショッピングカートASP大手の「フューチャーショップ」について解説いたします。
フューチャーショップの強みは、EC業界関係者から最も評判が良いプラットフォームであること
EC関係者なら口をそろえて言います。「ASPならフューチャーが一番」だと。
その理由はデザイン性の高さです。他のASPと比べてデザインできる要素が強く、そのためASPの中では最もアパレルの事例が豊富にあります。また、管理画面の使いやすさなど、フューチャーショップはとにかく評判の良いシステムです。
多機能であることは有名ですが、やはりフューチャーショップはデザイン性やUIなどの評判が高いので、非常におススメです。
もし、企業担当者が総合ECサイトを作る際にASPで迷っているなら、とりあえずフューチャーショップを入れれば間違いはありません。
フューチャーショップのデメリットは「決済」が個別に契約が必要なこと
フューチャーショップでショップを作る際は、個別に決済を契約する必要があります。その多くは、ソフトバンクペイメントが対応しております。
◆契約が必要な決済サービス
・クレジットカード決済(ソフトバンクペイメント)
・PayPay(ソフトバンクペイメント)
・コンビニ決済(ソフトバンクペイメント)
・d払い(ソフトバンクペイメント)
・キャリア決済(ソフトバンクペイメント)
・Amazon Pay
・楽天ペイ
・NP後払い
・ペイディ
など、フューチャーショップでは以下の決済サービスに対応しておりません。
・銀行振込
・郵便振込
・代引き
・店頭払い
つまり、フューチャーショップは昔ながらの決済には対応しておらず、銀振や代引きなどが必要なネットショップにはあまり向いていません。もともとフューチャーショップがアパレルに強いことからも、シニアユーザーが好む決済には対応しておりません。
しかし、この点は、アパレル以外でもほとんどがクレジットカード決済やコンビニ決済が中心であり、問題にはならないでしょう。
フューチャーショップの特徴
ワードプレスとの連携で、コンテンツマーケティングが可能。SEOに強い
現在のSEO対策の主流はバックリンクではなく、コンテンツの質をあげることです。つまりブログ施策が最先端のSEO施策で、業界ではコンテンツマーケティングという言い方をしています。
コンテンツマーケティングにはWordPress(ワードプレス)の利用は必須です。なぜならブログプラットフォームとしてGoogleが認めているプラットフォームですし、ブログ運営に欠かせないプラグインが、簡単に無料で手に入るからです。
フューチャーショップの場合、月額と初期費用を数千円で、ECサイト配下のドメインにワードプレスの設置が可能です。
SEOに強いECサイトとは、どこのECプラットフォームの会社も行っていますが、厳密に言うとECシステムによって、SEOの強さが変わることはありませんが、ワードプレスとの連携ができるというのは、SEOが強いと言っても差し支えないと私は思います。
ASPなのに、デザインの自由性が高い
ヘッダー、フッター、メニューなど多くのテンプレートが用意されており、さらにCSSの編集が可能で、デザインの自由度はASPの中でも高いです。
フューチャーショップは、パーツで画面を組み立てることができるため、HTMLの知識がなくともノーコードで画面を組み立てることができます。つまり、売ることに集中して、画面設計を行うことができるのです。
フォーム入力アシストが用意されている
カゴ落ち防止のための、フォーム入力のアシスト機能が標準機能で実装済みです。通常こういったサービスは、専用のシステムを導入する必要がありますが、最初からあるのは強みですし、コストの面からも、安くすみます。
FS2クリック分析、つまり簡単なヒートマップ機能のようなものがある
専門のヒートマップ分析に劣るものの、クリック分析や、終了エリア分析があるのは、結構嬉しいです。これも、例えばユーザーインサイトや、PTEnginを導入するば、数万円かかるが、簡易的機能がオプションで3500円で使えるのは面白い。
ヒートマップは常に必要な分析ではなくて、定点観測で十分なので、分析が終わったら、オプション解約して、1年後にもう一回導入するのも面白いでしょう。
だた、ヒートマップの真骨頂の熟読エリアがないのは、痛いところですが、オプション料金からみれば妥当です。
とにかくオプションが充実!定期購入、頒布会、サイト内検索サジェスト機能、メルマガ、クーポン、予約販売、ブラックリスト
数多く用意されたオプションを採用すれば、ECのフロント機能としては、ほとんど全部が揃っています。フューチャーショップの最大の特徴は多機能なことです。
しかも料金体系もライトなサービスから用意されているので、まずは最小限構成でECサイトを構築して、売上や必要に応じてオプション機能を追加していくのがいいでしょう。
使っているASPに機能が実装されていないため、ほかのASPに乗り換える事業者さんは、この業界に多いのですが、最初からフューチャーショップを検討していれば、オプションを追加するだけなので、ASPの乗り換えをする必要がありません。
システム連携が必要になれば、パッケージの導入を検討しましょう。
楽天ペイやAmazon Pay、ペイディに対応
数多くの決済方法に対応しています。その中でも楽天ID決済や、Amazon Payに対応しており、自社ECの課題は信頼感ですから、楽天やAmazonの決済が使えれば、ユーザーが購買するまでの心理的障壁が軽くなるので、購買しやすくなります。
また、フューチャーショップのユーザーは、楽天やAmazonに出店・出品している企業がメインですので、自社ECサイトへの移行には嬉しい決済方式です。
その他にも、ペイディにも対応しており、分割払いを気軽に導入することができます。
API連携が得意に!
ASPのECは「カスタマイズができない」「連携ができない」というイメージでしたが、昨今はAPIを使って、基幹システムや物流システムと連携するASPが多くなってきました。
その中でも、フューチャーショップは年商100億円以上の企業のECとして採用されており、API連携を得意としております。
今後は、ASPであっても中規模程度なら十分に可能となってくるのではないでしょうか?
ECサイトと連携できるアプリプラットフォームも提供開始!
2024年2月には、フューチャーショップにより構築したECサイトと連携するアプリプラットフォーム「future M-App」がオプションサービスとしてリリースされました。
future M-Appによりアプリ制作・運用することで、ECサイトとアプリがシームレスにつながり、ECサイトへのCVやEC売上の向上が実現します。
アプリの主な特徴は下記の通りです。
◆アプリとECサイト間の自動ログイン機能
アプリからECサイトに遷移する際に、IDやパスワードを入力することなくスムーズにECサイトを利用することができるため、ECサイトへ遷移する際の離脱を防ぎます。
◆ECサイトに貯まった顧客情報をアプリで利用
ECサイトアプリ間でユーザーIDやプロフィール、購買履歴といった顧客情報を共有。ユーザーの状況に合わせたプッシュ通知の配信やクーポン配布などが可能になります。
◆ポイントシステムや会員証と連携
顧客データと連携することで、共通化されたポイントや会員証の情報をそのままアプリで活用することができます。
引用:株式会社フューチャーショップ プレスリリース(2024年2月8日)
フューチャーショップのライバル企業は?
Shopify
フューチャーショップのライバルはやはりShopifyです。Shopifyはとにかくアプリが豊富に用意されており、ECのフロント周りのカスタマイズは自分でカンタンに実装することができます。
フューチャーショップと迷うポイントがあるとすれば、「自分でどんどん機能拡張したい」という場合は、Shopifyがおススメですし、日本のベンダーにある程度サポートしてもらいたいという場合はフューチャーショップがおススメです。
→ 世界で一番使われているShopifyを日本のECで導入!評判と考察
MakeShop
MakeShop(メイクショップ)は、フューチャーショップより機能で劣りますが、その分価格帯が安いので、Makeshopの方が規模が小さい企業向けです。
ASPを選ぶコツは1つです。自社のビジネスをいかにASPに合わすことができるか?に尽きます。なぜならASPは基本的にカスタマイズができませんから、数あるASPの中で最も自社にフィットするものを選ばなくてはいけないからです。
ですから、もし使わない機能が多くい場合はMakeshopや、もっと廉価なASPで十分でも十分です。
ただし、ECサイト構築のポイントは今の状況だけで要件定義を行うのではなく、最低でも3年先の見据えて要件定義を行います。例えば
・商品点数がいまは100点だが、3年後は1000点になる
・集客を行いアクセスが増える
・3年後に基幹システムとECを連携させる
など、将来を見越した上で要件定義を行う必要があります。ECシステムを導入したばかりなのに、1年後にシステム連携が必要で、乗り換えが発生することは意外によくあることなのです。
ですから、EC担当は目先の要件定義を行わず、数年先の拡張性もECシステムの要件に入れて考えましょう。
→ MakeShopの評判は?【集客力が強いネットショップASP】
ショップサーブ
フューチャーショップとの違いは、サポートの厚さです。もちろんフューチャーショップがサポートが弱いというわけではないのですが、ショップサーブはASPだと1番(筆者の主観)強いため、ITが苦手であったり、ECの経験がない場合は、ショップサーブの選択になるでしょう。
フューチャーショップを卒業し、ECパッケージの「ecbeing」や「ebisumart」でシステム連携
フューチャーショップは高機能ASPであり、ASPの中では上位機能を有します。しかし、ECサイトの売り上げが10億円も超えるととともに、バックエンド業務の負荷が高まってきます。
そうなると、システム連携やカスタマイズができないASPを卒業し、ECパッケージを検討する段階にはいります。そういう意味でもフューチャーショップのライバル企業はASPだけではなく、ECパッケージもライバルと言えます。
ecbeing(イーシービーング)
ecbeing(イーシービーング)はECパッケージの最大手です。中大規模のお客様が多く、900社の導入実績があり、多くのシステム連携実績、オムニチャネル実績を有します。昨今はビジネスモデルをecbiengの導入ユーザーのマーケティング業務に注力しています。
実績と信頼度は抜群で、あまりトラブった話は聞きませんが、反面カスタマイズ費用が高いのがネックです。
またecbiengがASPと比べたデメリットはシステムが古くなることです。フューチャーショップでは、念に4回から6回のバージョンアップがあり、システムが古くなる心配をする必要はがありませんので、パッケージへのステップアップは、このことを念頭に踏まえましょう。
おすすめ記事:ecbeingの評判は?【大手ECパッケージ】
ebisumart(えびすマート)
ebisumart(えびすマート)は、ecbiengのライバル企業であり、昨今問い合わせが急増しています。その理由はECパッケージでありながら、システムが古くならないクラウドECパッケージだからです。
ですからASPからパッケージの乗り換えの際に、システムが古くなるデメリットを受け入れる必要がありましたが、ebisumartはクラウドパッケージですから、そのデメリットがありません。ASPからの発展にebisumartは最適です。
ただ、ecbeingほどの実績がなく、2016年現在は360社に導入されています。これからの会社という印象です。
おすすめ記事:ebisumartの評判【中・大規模EC向きのクラウドEC】
頒布会や定期販売のライバルは「たまごリピート」
フューチャーショップは機能が豊富で、頒布会や定期販売にまで対応していますが、さすがに頒布会や定期販売に特化したASPには、このジャンルで劣ります。
もし頒布会や定期販売がメインであれば、「たまごリピート」がいいでしょう。しかし、通常の総合ECサイトであれば、フューチャーショップがいいです。
なにせ「たまごリピート」は、頒布会や定期販売の分野でナンバー1ですからね。
おすすめ記事:たまごリピートの評判【定期販売と頒布会に強いASP】
最後にフューチャーショップのまとめ
いかがでしたか?本日はフューチャーショップを取り上げました。
ラインナップを見ると、フューチャーショップはまさにASPの最高峰です。
売上が10億以上に達したときは、バックエンド業務の効率化のため、システム連携を考慮すると思いますが、最近はフューチャーショップもAPI連携の事例が増えてきたので、中規模ECの候補ともなるでしょう。
おすすめ記事!【ECパッケージ徹底比較】年商10億円以上に最適なECパッケージは?