ecforce(イーシーフォース)は、2017年から出てきたECシステムであり、たまごリピートなどのD2CでおなじみのECシステムと比べると、最近のECシステムです。しかし、多くの資本が投下されており、芸能人をクリエイティブに使うなど勢いがあります。
ecforceは一言で言えば、D2C向け、いわゆる単品通販向けのECシステムです。つまり、ecforceは、世の中のD2Cの盛り上がりとともに出てきたシステムと言うことができます。たまごリピートがライバルとなりますが、新しいシステムである分、ecforceの方が使いやすい印象があります。
本日は、ECのプロである筆者が、実際に過去にecforceに問い合わせた結果を踏まえて、この記事で解説いたします。
ecforceの流通総額は500億円!
まだサービスを提供してから5年程度に関わらず、流通総額は500億円と結構大きい印象です。ASP-EC最大手のメイクショップは2,749億円であることを考えると、急成長していることがわかります。
ecforceが短期間で急成長した理由は、もちろん資本が投下されて、多くのプロモーションを実施していることもありますが、しかし、ecforceの運営会社SUPER STUDIOのマーケティングがしっかりやっている点もあげられます。
広告投下により、多数の資料ダウンロードで企業担当者情報を取得し、そこからものすごい回数のECセミナーを実施しております。筆者も2019年に資料請求をしたところ、それ以後、月に10回近いセミナー案内のメールが送られてきます。
いずれもD2Cのセミナーであり、しっかりマーケティングを実施していることがわかります。
もともと、ecforceの運営会社がD2Cを実施しており、そのノウハウをもとにシステムを開発したのですが、マーケティングセミナーも多数実施しており、最近では自社だけでなく、他の会社との共催も目立ちます。それだけ業界内の認知も高まってきたのではないでしょうか?
また、SUPER STUDIOのマーケティングセンスが良いと感じるのは、ecforceの価格ページを見ると、「移行実績あり」として、競合の会社ネームも公式サイトに入れている点です。価格ページは、公式ページで最も見られるページであり、そこに各社ECベンダーの名前をいれていることから、問い合わせ意欲も増しますし、SEOの少しの流入も見込めます。
ecforceはASPですか?パッケージ?
ecforceはASPですが、ASPでは高級な価格の部類に入ります。ただ、ASPだからといって全く外部システムと連携できないわけではなく、APIを使って外部連携をある程度行うことができます。
ひと昔前は、ASPは外部連携はほどんどできなかったのですが、API連携が一般的になったため、外部連携がある程度可能となりました。パッケージよりはecforceは安いので、複雑なシステム連携が無い場合は、ecforceでもある程度のことは実現できます。
ecforceを導入した場合の価格感は?
電話で聞いた時に価格は教えてくれませんでしたが、ライバルのたまごリピートやリピストと同程度ということになりますので、
初期費用10万円~
月次費用数万円~
という費用感になります。その他に下記のページにオプション機能が紹介されています。
まずは、最小限でリリースしてから、必要に応じてオプションを足していくといいでしょう。D2Cで上手く行くコツはお客さんととことん向かい合うことです。そのためには、オプションの中のCS機能などは必須ではありますが、まずはECを運営してみないことには、機能をつかうかどうかはわかりません。
余談ですが、ecforceの価格表に「ecbeing」「ebisumart」が移行実績ありと書いておりますが、たしかに実績はあるのでしょうが、これらは初期費用も月額費用も一桁から二桁も変わってくるECシステムです。ほとんどライバルではないのでしょうが、ちゃんとそこからも移行する客を狙っているのはさすがですね。
ecforceの特徴や機能
D2C向け、リピート購入向けのECシステムであるという点。比較的安く導入できるという点です。運営会社のSUPER STUDIOがもともとD2Cの会社であったということから、ECのノウハウがあり、それを他社向けにSaaSで作ったシステムがecforceです。
ECパッケージ会社のecbeingも、もともとPCを販売しているECサイトから、ECシステムをサービス化してきたのと似ている感じがします。
そういった背景から、特にD2Cでは、世界観の構築、F2、F3の転換率、解約率阻止が求められ、それらを実現するための機能が実装されております。
ただ、ライバルのたまごリピートができない「WordPress」の設置であったりと、かゆいところにも手が届くようにしている印象です。
KPIがとりやすい
D2Cはカンタンに言うと、単品通販のことです。そのためKPIを徹底管理して、ボトルネックがあれば、そこを直すという体制が求められます。ecforceには、トラッキングできるKPIが多数あり、他のECではツールを入れないと計測できないことも標準機能で実装しているようです。
マーケティング機能が豊富
チャットボットや、ワンクリック決済機能、ポップアップ表示など、D2Cには欠かせない機能が実装されておりますが、このあたりはライバル会社も実装しているのであまり差別化要素はないかもしれません。
柔軟なデザインと高い自由度(今風のECサイトを作りやすい)
ASPカートであれば、デザインに限界があるものが多いのですが、ECフォースはデザインのカスタマイズ性が高く、専門のWEBデザイナーに依頼して、デザインにこだわりたいブランドにも適しています。
また、テンプレートを利用することも可能ですが、せっかくASPで安くはないECフォースを利用するのでしたら、カスタマイズを前提に導入すべきでしょう。
リアル店舗も出店!ザ・ストア(THE[ ]STORE)
ecforceは、リアル店舗を出店して、ecforceを利用しているクライアント企業に店舗を提供するという面白いこころみをしております。決済は、QRコードを使って、ECサイトで決済をするようなので、ecforceを利用している方は、交渉次第で使わせてもらえるのではないでしょうか?
このような取り組みは、ECプラットフォーム業界で聞いたことがないので、非常に面白いこころみですね。
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ライバル会社は?
ライバル会社は以下の4社です、
たまごリピート
定期販売でナンバー1のECシステム会社ですね。筆者のクライアントも使っています。リピート購入を前提とした機能が豊富で、導入している方は、打ち出の小槌のツールも一緒に導入している方が多いです。ただ老舗なだけあって、たまごリピート方がより細かい定期に関する機能を実装している印象があります。
たまごリピートの記事はこちらから → たまごリピートの評判【定期販売と頒布会に強いASP】
リピスト
こちらもたまごリピートと同様に、定期販売などに強みのあるECシステムです。リピストの場合、大規模の会社であっても、中大規模向けのシステムも提供しており、ecforceよりもその点で強みがあります。
さらに、ecforceさんの公式サイトに以下の2社の名前も取り上げられていました。
ecbeing(イーシービーング)
いわずとしれた、中大規模向けのECパッケージの最大手です。ecforceは意識しているようですが、ECシステムの規模感があまりに違うため、おそらくビーングの営業はecforceのことをほとんど意識していないと思います。ecbeingはどちらかというと、単品通販ではなく、総合通販のシステムを提供しているイメージです。
ecbeingの記事はこちらから → ecbeingの評判は?【大手ECパッケージ】
ebisumart(エビスマート)
ecforceと同じSaaSですが、エビスマートの方は、カスタマイズを前提としたサービスを提供していおり、ecbeingと同様に、中大規模向けのECシステムです。エビスマートもD2Cは可能ですが、基幹システムなどと連携したい場合は、こちらのSaaSを使うことになるでしょう。
ebisumartの記事はこちらから → ebisumart(えびすマート)の評判【中・大規模EC向きのクラウドEC】
最後に
ecforceはこれからもどんどん伸びてくる印象です。SaaSであるため機能拡張もどんどんおこなっており、今後が楽しみなECシステムですね。また、D2C専門というシステムは当時は他にはなかったので、時流にのっている感じもあります。
あとは事例に大手を増やしていけば、もっと大きな存在になるのではないでしょうか?
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