CS-Cartの評判は?【ショッピングモール型に強いオープンソース】

オープンソースは日本ではec-cubeが最も有名ですが、CS-Cart(シーエスカート)をご存じでしょうか?CS-Cartも導入後にカスタマイズする事が可能なオープンソースのECパッケージです。(再配布不可なので、厳密にはオープンソースではないのですが、この記事では「ソースを自由に編集できる」という定義に限定して「オープンソース」と呼びます)

元々ロシアで開発されたオープンソースで、日本では”有限会社フロッグマンオフィス”という会社が運営しております。私がCS-Cartを知った経緯は、「越境ECに強い」という訴求でしたが、しばらくすると「モール型に強い」に訴求が変わっておりました。

越境ECはバズワードですが、実はプラットフォーム事業者にとってはあまり儲からないので、モール訴求にしたのかもしれませんね。

ということもあり、なかなか面白いECシステムと感じたのがキッカケです。本日はECコンサルタントの私が、CS-Cartについての評判を解説いたします。

CS-CartってASPですか?オープンソースのパッケージですか?

CS-Cartは基本的にオープンソースのパッケージなのですが、いろんなコースがあるためか?少しコースやプランがわかりにくいです。CS-Cartは

・サーバープラン(レンタルサーバープランのセット)
・パッケージ
・カスタマイズ

・マッチングサイト構築パッケージ

の3つのプランがあります。筆者が整理しましたので下記をご覧ください。

レンタルサーバー付きのCS-Cart(サーバープラン)

CS-Cartさんは「サーバープラン」という言い方でレンタルサーバー付きでCS-Cartを用意するプランです。サーバープランは下記4つのプランが用意されております。

・スタンダート
・プレミアム
・マーケットプレイス
・モール

自社に開発者がいない場合などは、サーバーインフラまで対応してもらえるプランは助かります。

CS-Cartのパッケージ

パッケージ版には3種類あって、「スタンダード版」「マーケットプレイス版」「モール版」です。マーケットプレイスとは、BtoBで企業間取引に特化したものを指しますので、マーケットプレイス版はそれに特化したパッケージです。ECサイトとしてはAmazonのような「出品型」のECサイトの構築ができます。対してモール版は「出店型」のECサイトの構築に特化したパッケージです。楽天やZOZOTOWNのようなECモール構築に必要な機能が提供されます。いずれの種類もカスタマイズ可能です。

いずれも買い切りになっているようで、自社で用意したサーバーにインストールして利用します。

カスタマイズプラン

CS-Cartをベースに個社毎にカスタマイズしてくれるプランです。価格も 275,000円~3,300,000円とHPに書いてあり、この価格はかなり良心的に思えます。また、この手のものはだいたい見積ベースなのですが、ホームページに価格が明記されているのは非常に良心的です。

価格で考えると、小規模事業者が、少しマニアックなカスタマイズを施したい場合など、CS-CartでECサイトをリリースするのは良さそうな選択だと筆者は考えます。

マッチングサイト構築パッケージ(mekuma)

こちらはECサイトではなく、マッチングサイトを作りたい時に使うパッケージプランとなります。マッチングサイトには以下のようなものがあります。

・塾やスクールなどのオンライン講師と生徒をマッチング
・出会い系サイト
・シェアリングサービス

とくにシェアリングサービスは、2030年度には14兆円を超える市場と呼ばれており、このようなマッチングサイト構築パッケージは、伸びる可能性があります。

引用:2021年、日本のシェアリングエコノミー市場規模が、過去最高の2兆4,198億円を記録。2030年度には「14兆2,799億円」に拡大予測。 | 一般社団法人シェアリングエコノミー協会

パッケージとサーバープランはどっちがいいの?

性能に差がでるわけではありませんが、ポイントはサーバーを自社でもつか、CS-Cart側で持つかという判断基準です。企業の考え方によって、サーバーをオンプレミスで行うかどうかは、異なります。

いずれにせよパッケージプランは自社で技術力に自信がある会社でないと難しいでしょう。パッケージプランのメリットは、初期費用を払えば、月額がかからない点です。

サーバープランはASPのような感覚でスタートできます。サーバーも用意する必要がありませんから、はじめやすいです。ただしこちらは月額がかかるコースです。その分初期費用はおさえられています。

CS-Cartの費用や価格感は?

CS-Cartの公式ホームページで確認してください。随時価格を公開しており、信頼できる価格設定の印象を受けました。価格も全体的に企業にとっては良心的な価格です。

参考:CS-Cartの料金ページ

CS-Cartのライバル企業は?

数年前ですが、CS‐Cartのセミナーに参加した筆者からの目線ですが、以下のECシステムを意識しているようでした。

最大のライバルはec-cube

ec-cubeは国内ナンバーワンのオープンソースですが、ec-cubeは完全フリーのソフトウェアであり、有料版は存在しませんので、有料版で収益を得るCS-Cartとは、そもそもビジネスモデルが異なります。

開発者にとっては、情報量がec-cubeの方が多く開発しやすいですが、サポートはありません。一方で、有料であれば、サポートを受けられるCS-Cartということもあり、この辺は考え方になるかと思います。

ec-cubeとの違いは、アップデートに関してです。ec-cubeの場合手動でのアップデートになりますが、CS-Cartはワードプレスのアップデートに近い感じで、アップデートに失敗しても自動でバックアップがとってあるので、担当者も安心です。

また越境ECを考えているなら、多言語対応や他通貨対応が標準実装されており、CS-Cartはいいでしょう。元々ロシアで開発された海外オープンソースですから、この点は国産のec-cubeより勝っています。

大規模ECサイトへの発展なら、ecbeingやebisumart(えびすマート)

もし、ECサイトの規模が大きくなったり、システム連携が必要になってきた場合は、ecbeing社やebisumart(えびすマート)を検討するのがよいでしょう。

CS-Cartでもシステム連携は可能ですが、規模が大きくなるったり、基幹システムや物流システムを連携させて、効率をあげるならば、実績のある会社の方が依頼しやすいという点からです。

同じ海外のオープンソースのZen Cart

Zen Cartはアメリカで開発されたECのオープンソースです。日本語版のサイトやフォーラムがあるので、開発者にある程度情報がありますが、一方でZen Cartを扱っている制作会社が少ない点です。この点はCS-Cartであれば、複数の会社が開発会社として、パートナシップを結んでいますから、開発を外部なげる場合は、CS-Cartの方が優位でしょう。

CS-Cartの特徴は?

私が複数のパッケージを見た中で、CS-Cartが特に特徴的だと感じたポイントを取り上げます。

ショッピングモール型のECが得意

例えば、Amazonや楽天市場のように、自ら出店者を募って、ショッピングモール運営を考えている方には、非常に良いプラットフォームです。私もECの数々のプラットフォームをしっていますが、「ショッピングモールが強い」という訴求はあまり聞いたことがありません。

実は、BtoBやグループ会社が沢山あるグループ企業などでは、ショッピングモールの立ち上げの話はよくあるので、それなりに問い合わせが来ているのかもしれませんね、

気になるのは、数年前までは「越境ECに強い!」という訴求ですが、いつの間にかなくなってしまったのが気になります。

複数ショップを一つの管理画面で管理!

ショップの追加には月額の追加費用がかかりますが、新たにCS-Cartをインストールすることなく、複数のネットショップを運営することが可能です。

管理画面の項目を自由に変更できる

これは便利な機能です。企業によって項目の名前は異なりますからね、項目を自由にカスタマイズできる点は大変便利です。

アクセスするユーザーによって管理権限を変更可能

ユーザー単位やグループ単位で管理権限を変更できます。

サーバープランとパッケージプランがある点

通常、ASPとパッケージにECシステムがあるのですが、サーバープランとパッケージプランの両方を持っているのは、面白いです。ただ筆者の予想ですが、ほとんどの企業がサーバープランを選択しているのではないでしょうか?

パッケージプランを選択する場合は、ノウハウのある制作会社が必要ですので、CS-Cartには、開発パートナーが数社いますので、これらの会社と相談するのが安心ですね。

サポートや情報が充実している

Youtubeの動画コンテンツを作ったり、フォーラムを作ったりと開発する上において情報は充実しています。

CS-Cart日本語版公式ガイドビデオ

最後に

HPのとおり、柔軟性が高いECシステムです。価格帯も安めです。最大の売りはやはり、越境ECに必要な機能がだいたいそろっている点です。

パッケージの最大の弱点のシステムが古くなる点ですが、提供される更新モジュールでシステムを更新すれば、陳腐化は避けられますが、カスタマイズとの度合によります。例えば大幅なカスタマイズをした場合は、更新モジュールでの更新が難しくなりますが、標準機能を中心とし、カスタマイズもほどほどならば、更新モジュールによりシステムが古くなりません。

ただ、あくまで小・中規模向けのECパッケージです。中・大規模ECサイトのようにECの規模や売り上げがある場合は、ecbeingebisumart(えびすマート)のような国内有力ECパッケージを検討しましょう。

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