SI Web Shoppingの評判【システムインテグレータ】

Si Web Shoppingとはシステムインテグレータ社が販売・提供する、大手ECサイトパッケージのソフトウェアです。ホームページを見ると日本初のECパッケージと言っているだけあって、EC業界での実績ではナンバー1でしょう。

運営会社のシステムインテグレータは、ECパッケージの業界では大手の会社ですから、ECサイトを発注するときに実績を重要視する、大手のEC担当にとっては安心して、仕事の依頼ができます。

では、昨今のSi Web Shopping は実績はどうでしょうか?2022年7月に発表された決算説明会の資料をみると、EC事業部は大きな減益を計上しておりますが、これはコロナにより案件の大型案件の受注が流れたことによる影響ですね、その前の四半期決算の決算資料をみると、コロナ禍により受注が増加し、フロー収益が増えたと書いてありました。

システムインテグレータ元々はECパッケージ事業からスタートしましたが、昨今はERP事業などにフォーカスしていましたが、昨今のコロナ禍において再度、EC事業に力を入れている印象がありますね。

本日はSi Web Shoppingのシステムインテグレータの評判を解説いたします。

DGFT(旧ベリトランス)との合同子会社を設立し、Si WEB ShoppoingをDGコマースに移管

2023年11月にビックリするような発表がありました、システムインテグレータのEコマース部門(つまり、Si WEB Shopping)を、DGFTとシステムインテグレータとの合同出資している子会社のDGコマースに移管するとの発表がありました。

→ E-Commerce 事業の譲渡に伴う会社分割(簡易新設分割)
および新設会社株式の譲渡に関するお知らせ 

Si WEB Shoppoingも最近、EC業界で目立ってなかったですもんね。ビーングやエビスマートがずいぶん目立ってきた感もあり、おなじ大企業向けをターゲットとするDGFTと協業した方が、シナジー効果はありますしね。

決済の入れ替え時期って、ECシステムの入れ替え時期でもあり、また、ベリトランスは大きい会社ばかりが導入先として入っているので、今まではDGFTはビーングさんやエビスマートさんにECを紹介してましたが、今後一部はDGコマース(新しいSi WEB Shoppoing)に案件を紹介するという流れになるので、すごく良いことだと思います。

あとは、Si WEB Shoppoingは値段が高いので、ライバルのビーングやエビスマートとどれくらい価格競争力が出せるかがポイントですね。

Si Web Shoppingはどんなパッケージですか?

実はSi Web Shoppingは、超大手SIerに担がれているECパッケージなのです。ですから直販よりも、パートナー経由でのエンドユーザーへの販売が多いのです。Si Web Shoppingはカスタマイズによる高い拡張性が可能ですから、大手SIerがゼロから作るよりも、ECとしての基本機能を実装済みのパッケージをカスタマイズ提供するほうが、コストもかからず提供できます。

また、Si Web Shoppingはソースコードを公開しているので、ユーザー自身での保守・管理することも可能なのです。Si Web Shoppingは高額なパッケージですから、導入しているユーザーも日本を代表する企業が多いです。そういった企業は、ブラックボックスを嫌がりますから、こういったソースコードの開示性も受け入れられている要因の一つです。

なにより、大手Sier自身が保守管理可能ですからね!

昨今、Si Web Shoppingの情報をしらべていると、下記のような記事がありました。それによると、

「ここ最近はSIerとの競合も増えてきている。ECサイト構築パッケージに他の業務システムとの連携機能を付加するといったニーズが増えてきたためだ。こうしたことを背景に、1件当たりの受注単価も従来の数千万円規模から、ここ最近は1~2億円と大型化している。」

SIerとはパートナーでもあるし、競合でもあるようですね。ECサイトの要件は、オムニチャネルやオンラインニーズの需要の高まりを受けて、昔よりも複雑化している印象なので、受注単価も高まっているのでしょう。

Si Web Shoppingはどんな特徴のあるECシステムですか?

日本を代表する企業が導入するECシステム

Si Web Shoppingはその優れたカスタマイズ性により、ECで実現出来ない事などありません。ただし大手が使うパッケージなので導入費用が数千万と高額です。それゆえ、必ずカスタマイズが発生するわりには、ECの売り上げが多くないBtoBや定期販売、頒布会などには全く向いていないECシステムです。投資を回収しづらいのです。

オムニチャネル戦略に力をいれるシステムインテグレータ

システムインテグレータのホームページを見ると、オムニチャネルに力を入れているのがひと目でわかります。当然業界実績ナンバー1のECパッケージ企業ですから、そのお客様も超大手ですから、店舗をもつ大手企業でオムニチャネルを検討していない会社など、今時ありません。

ただしオムニチャネルの本質は顧客接触機会向上による、顧客満足度向上にありますが、システムインテグレータのホームページを見る限り、「バックオフィスシステム統合による業務効率化」をうたっており、ここらへんはマーケティングではなくシステム屋らしい見解で、オムニチャネルをシステム連携による効率化の背景をメインに打ち出しているようです。

少し前の具体的な事例として、下記のニュースリリースでは、メール配信システムと連携してオムニチャネル施策を実施しています。顧客の購入履歴を分析してセングメント化し、それぞれの顧客に異なる内容でメールによるプロモーションを行うものです。これもまたオムニチャネル施策としては、システム屋らしい背景を持った事例です。

システムインテグレータのオムニチャネルサービス「SI Omni Channel Services(SOCS)」とエイジアのメール配信システム「WEBCAS e-mail」が連携~メールを活用したオムニチャネルマーケティングを実現~

Si Web Shoppingの価格勘は?

下記のようにECパッケージシステムの中でもっとも高い価格帯になります。以前紹介した、同じくECパッケージの大手のワークスアプリケーションと同じ価格帯になります。

ワークスアプリケーションズとSi Web Shoppingの費用感

追加カスタマイズ費用も数十万円からとしてますが、数百万円かかるカスタマイズもザラにあります。

システムインテグレータのEC市場のライバル企業は?

コマース21

EC市場で高価格帯パッケージ市場でのライバルはコマース21です。お互いEC市場で歴史のある企業ですし、大手企業への実績も十分です。コマース21もSi Web Shoppingと同様に、ソースコードを開示していますから、大手企業が導入後、自分たちで保守管理するのも可能です。

ただし、Si Web Shoppingもコマース21も高額すぎます。現在はASPや、そこまで高額でないECパッケージも機能を格段に向上させていますから、今後は両社とも、今まではライバルではなかったECパッケージ企業とも、マーケットを争うことになるでしょう。

またSi Web Shoppingはパッケージである以上、システムが古くなります。その点えびすマートなどは、一度導入すれば、システムの入れ替えが発生しないのはメリットと言えます。

ecbeingやebisumart(えびすマート)

ecbeingやebisumartも、近年、大手企業の実績を増やしてきており、また両社とも拡張性に優れ、カスタマイズ可能なECパッケージです。そして価格帯がSi Web Shoppingよりも安く、同等の機能を有しているため、Si Web Shoppingが今後、これらの企業とどうやって差別化をだしていくかが課題です。

ecbeingの記事はこちら → ecbeingの評判は?【大手ECパッケージ】

ebisumartの記事はこちら → ebisumartの評判【中・大規模EC向きのクラウドEC】

システムインテグレータという会社の雰囲気は?

前社長で会長の梅田弘之氏は日本初のERPパッケージProactiveを作った人物として、有名です。また一流の技術者であり、今でも現場に出て開発をいとわないという人物です。システムインテグレータが開発した主力各製品パッケージは、社長が企画していったものばかりです。

そんな社長は先進的な考えの持ち主で、女性が働きやすい環境をととのえ、育児休暇などの女性が働きやすい環境を整備しており、システムインテグレータには女性役員や女性管理職も多いです。

また、実力主義が浸透している会社でもあり、実力がある若手ならすぐに、大きな規模の案件のPJマネージャーをまかされます。ただし数年前に大きな失敗プロジェクトが発生したこともあり、現在は若手の人材教育に力を入れているようです。

給与は実績のあげた20代の若手社員が100万を超える臨時ボーナスを受けたこともあり、高給が保証されています。その分残業時間なども、他のシステム開発会社並みに発生していますが、制度や給与を考えると働きやすい企業といえます。

最新のSI Web Shopping V12.13がリリース!新機能は?

Si Web Shoppingのホームページをみると、新しいバージョンのSi Web Shoppingがリリースされたことが書いておりました。ここ最近のバージョンアップで機能追加された内容の一部をまとめると

・インボイス制度に対応
・3Dセキュア2.0対応
・GA4に対応
・認証ラベルを表示

ということです。クレジットカード決済の情報漏洩は結構多いですから、3Dセキュアはセキュリティ高くていいのですが、いまいち一般ユーザーに普及していないんですよね。。インボイス制度への対応は、BtoB事業者には必須の機能となります。

認証ラベルの表示というのは、システムインテグレータがSDGsに積極的に取り組んでいることもあり、品質・安全性を満たした商品に対して認証ラベルが表示できる機能が実装されました。

Si Web Shoppingのまとめ

Si Web Shoppingは中小企業への導入は向いていません。実績を重視する大手企業への導入が、社内稟議もスムーズでしょう。またシステムインテグレータはドキュメントもしっかり作ってくれますし、納品物やコンプライアンスを重視する企業には、その期待に十二分にこたえてくれるでしょう。

しかし、現在のECシステムのマーケットは低価格のASPやパッケージがどんどん高性能化しており、それに対してSi Web Shoppingは高価すぎます。今後も今のポジションでありつづけるのかは未知数です。

DGコマース社はDGFTグループとなるので、今後もグループやSIerからの案件の紹介がメインとなるのではないですかね。

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