コマース21の最近の評判は?【大手の導入実績ナンバー1】

コマース21はECパッケージ業界では、大手導入事例の過去実績はナンバー1の企業です。コマース21のプレスリリースには以下の文言があることから、それを裏付けております。

コマース 21 は、EC 売上高上位 500 社の内、100 位以内の企業数が 12 社。EC 売上高上位 500 社の売上 総額が約 3 兆円、そのうちコマース 21 のクライアントの売上高合計は 3,200 億円超で約 1 割を占めてい ます。

コマース21は大手のECパッケージ会社であり、大型案件の際はが必ず、コンペに顔を出す企業です。

しかし、コマース21も最近では小中規模向けECのASPサービス「Eストアー」に買収され、大規模EC市場のみではなく、中規模のEC市場へもシェアの拡大を狙っているようです。さらには2021年4月にECo2(エコツー)というカスタマイズできるSaaS型のECプラットフォームも提供しております。

本日は、コマース21の評判や、私の見解を解説いたします。

コマース21のパッケージの機能や特徴

コマース21はソースコードを開示している拡張性豊かなECパッケージで、導入企業も超大手の会社が導入しています。ほかのECパッケージと同様、その拡張性はフルスクラッチと遜色ありません。ちなみにJAVAで開発されております。

コマース21のパッケージは3つあります。

①Commerce21 SELL-SIDE SOLUTION(大規模ECサイト向けパッケージ)
②Commerce21 S5(中規模ECサイト向けパッケージ)
③ECo2(エコツー)

①Commerce21 SELL-SIDE SOLUTION

こちらはコマース21の主力パッケージ製品です。大規模ECサイト用として業界では認知されています。ECサイトのフロントまわりから、バックオフィス機能まで、トータルで機能を提供しております。SELL-SIDE SOLUTIONは2つのラインナップがあり、「プレミアム」と「エンタープライズ」です。

違いは、「エンタープライズ」が複数ECサイトを1つの管理画面で運営ができるパッケージに対して、プレミアムが単一ECサイトの運営のためのパッケージなのです。

共通する特長としては

・瞬間的なアクセス増などの高負荷にも耐えうるスケーラビリティ
・常時SSL通信を標準装備
・独自機能の開発や外部システムとの連携など、優れたカスタマイズ性、拡張性に優れる
・各案件に対して深いところまでコンサルしてくれるので、業務効率や売上改善を意識したサイトを構築できる

などがあげられます。

②Commerce21 S5

コマース21のパッケージは高額です。初期費用で2,000万円以上かかります。しかしそんな課題を受けてでしょうか、2015年に「S5」が販売されました。下記プレスリリースをご覧ください。

引用記事 : コマース21/中規模EC向け新製品投入/高機能で短納期・低コスト実現

またS5は、予約販売、セット販売、まとめ買い機能、ギフト機能、再入荷お知らせ機能などの機能を搭載しており、かなりファッションECを意識したパッケージになっているようです。しかし、昨今は中規模向けEC-ASPの大手「Eストアー」にコマース21が買収されたこともあり、コマース21のホームページでは、訴求されておらず、積極的には販売していないようです。

③ECo2(エコツー)

2021年4月6日にリリースされたのが、カスタマイズ可能なSaaSのECプラットフォームのECo2です。

ECシステム構築のコマース21新ECプラットフォームサービス「ECo2(エコツー)」4/6(火)より受付開始

通常、クラウドのシステムはカスタマイズできないのですが、拡張性を担保しながら、クラウドのようなオートスケールのメリットを受けられるシステムです。

この分野は、後で紹介するコマース21のライバルの「エビスマート」がシェアNo1なのですが、ついにコマース21でもカスタマイズクラウドのECを発表してきました。

ただ、この分野のプレイヤー(コマース21やエビスマート、イーシービーング)には、大変な技術力と負荷がかかります。その証拠にイーシービーングからリリースされた「メルカート(カスタマイズできるSaaS)」は、当初よりも勢いがありません。

また、カスタマイズの幅が大きければ、従来のイーシービーングのパッケージを使うなど、制限があります。今後コマース21がどこまで真剣にECo2を提供するのか、見ものです。

コマース21のECパッケージと連動する製品

コマース21は、単なるECサイト構築だけでなく、コマース21の導入サイトのマーケティングにも力をいれており、SELL-SIDE SOLUTIONと連動する、以下の製品を展開しています。

Commerce21 検索エンジン

ECサイトの商品数が多いと、ユーザーの求める製品を、どのように表示させるかはEC事業者にとっては悩ましい問題です。サイト内検索エンジンはASPなどが販売されていますが、コマース21は自社で開発しています。検索しなくてもヒットしなかった商品の類似語をだすなど、細かいマーケティング要望に応えてくれます。

Commerce21 レコメンドASPサービス

この製品のみ「ASP」という製品名が冠せられているので「おや?」とおもいましが、レコメンドエンジンで有名な、ナビプラスと提携してOEM的にユーザーに提供しているようです。

Commerce21 モバイルソリューション

とくにフィーチャーフォン対応のオプション製品です。スマートフォンが当たり前の時代になってきましたが、シニア層など、いまだにフィーチャーフォンのアクセスが無視できない業態があります。こういった層をとりこむにも、本体のECサイトと管理画面も共有でき、PC、スマホ、フィーチャーフォンとマルチチャネルで一元管理を実現します。

Commerce21 CRM

ECサイトのアクセス情報、顧客情報を統合し、ビックデータを活用した、プライベートDMPを実現しています。ビックデータからユーザーの行動分析するマーケティング・オートメーションを実現しています。

コマース21を導入した場合の費用感は?

ワークスアプリケーションズとSi Web Shoppingの費用感

最近、S5という低価格向けのパッケージもありましたが、基本は大規模ECサイト向けですので、ワークスアプリケーションズやシステムインテグレーターと同程度の高額パッケージですので、価格感は安くはありません。

コマース21はAWSを採用!

下記のAWSの事例によると、コマース21ではAWSが使われていることがわかります。

サービス型ビジネスモデルへの転換に向けて
AWS を活用したマネージド EC プラットフォームサービス『ECo2』を 6 か月でリリース

この記事を読むと、最新のSELL-SIDE SOLUTIONはヘッドレスコマースを採用しているそうです。ヘッドレスコマースとは、ECのフロントとバックエンドを、あえてAPIで連携させて、それぞれを独立して改修できるようにしたアーキテクチャです。

さすがは、大規模向けECプラットフォームですね。

コマース21のライバル企業は?

システムインテグレータ(Si Web Shopping)

コマース21と同じく、大手のECパッケージ市場でのシステムインテグレーターが最大のライバルと言えるでしょう。システムインテグレーターのパッケージは「Si Web Shopping」という有名なパッケージです。コマース21が直販メインなのに対して、システムインテグレーターは、パートナー経由での販売がメインです。

コマース21、システムインテグレーターとも、ECサイトの導入費用は数千万円からとなり、安くはありません。

システムインテグレーターの記事はこちら → SI Web Shoppingの評判【システムインテグレーター】

ecbeingやebisumart(えびすマート)

今までもコマース21とecbeingやebisumartは競合しておりましたが、コマース21が低価格、低納期用パッケージの「S5」を販売したことから、中規模ECサイトのパッケージとして有名な両社とも、激しく競合します。

S5はアパレルに強いとの事ですが、ecbeingもebisumartも、アパレルの実績は豊富です。

中規模ECサイトのシステムリニューアルなどは、とりあえずこの3社に声をかけてみるのがよいと思います。

ecbeingの記事はこちら → ecbeingの評判は?【大手ECパッケージ】

ebisumartの記事はこちら → ebisumartの評判【中・大規模EC向きのクラウドEC】

また、エビスマートのカスタマイズできるSaaSという分野にコマース21がECo2でぶつけてきたので、今後この分野でコマース21がシェアがとれるかは注目ですね。

コマース21のまとめ

コマース21は、経営者が次々に入れ替わる時期があり、落ち着かない印象でしたが、2020年現在はEストアーに買収されて、資本関係は落ち着いてきた印象です。

Eストアーがコマース21を約13億円で買収、中小から大規模までEC構築などをサポート

今までは大規模ECサイトのパッケージ導入がメインでしたが、現在は中規模ECサイト市場も視野に入れ、さらに、コマース21導入企業へのECのマーケティング機能の提供にも力を入れています。

最後に、コマース21の最大のメリットは?と聞かれれば、それはソースコードを顧客に開示しているため、フルスクラッチ並みの保守運営が可能になることです。オンプレミスが必須の企業で、ECのパッケージを検討するには、よいパッケージだと思います。

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