ワークスアプリケーションズの評判【COMPANY EC Series】

ワークスアプリケーションズは数年前の「働きがいのある会社」調査で、常に上位あがる会社で、新卒の大学生に人気のある就職先の一つです。ERP(業務パッケージソフトウェア)市場でNo’1の会社であり、社員数は3000人を超す大企業です。

では、なぜワークスアプリケーションズはこんなに急成長をとげたのでしょうか?

それは1990年代、業務システムといえば、NECや富士通、IBMといった大手SIerが汎用機を企業に導入し、会社毎に、その会社専用の業務システムを構築するメインフレームが一般的でした。そのため業務システムが完全に、メーカーの専任にシステムが握られている時代でしたが、メインフレームの時代が終わり、クライアント・サーバーモデルが到来し、そのような時代に「すべてを標準機能で実現する!」という理念のもとに業務システムのパッケージシステムとして、市場を席捲したのが、No’1のERPシステムの「COMPANY」なのです。

そしてこの「COMPANY」には、

①会計シリーズ
②サプライチェーンマネジメントシリーズ
③ECシリーズ
④人事シリーズ

といった4つのシリーズがありますが、当ブログでは「EC・eコマースシリーズ」を中心に評判や解説を行います。それでは、ワークスアプリケーションズの評判を解説いたします。

※追記:2022年7月にリライトして記事を新しくしましたが、ワークスさんのホームページみても、「EC・eコマースシリーズ」がどこにも載っていません。ひょっとして新規向けの開発をやめたのでは。。

ワークスアプリケーションズとはどんな会社ですか?

ERPパッケージシステム市場でNo’1

ワークスアプリケーションズは、2000年代前半にERP市場を席捲した会社です。当初、ワークスアプリケーションズが打ち出したコンセプトは業務システムの常識を覆すものでした。

・カスタマイズせずに全ての業務を標準機能で提供する
・追加のカスタマイズコストを発生させない

さらに、パッケージの導入だけでなく、その後のユーザーへの研修サービスを充実させることで、No’1のERPパッケージシステムのポジションを獲得しました。そういった中で、EC市場に進出し生まれたのが、「COMPANY EC Series」です。

すでに日本を代表する企業がERPパッケージを導入していますから、そのような超大手企業が、ECのプラットフォームとして、基幹システム(COMPANY)と連携がスムーズな「COMPANY EC Series」を導入するのは自然の流れです。

こうして、ECパッケージ業界においても、ワークスアプリケーションズは業界大手の地位を築いていきました。一時は受注がありすぎて、リリース日が遅れることも多発したほど人気でした。

優秀な新卒が集まるワークスアプリケーションズとは?

システムの会社ならどこでもある悩みが、「優秀な人材の確保」です。しかし、ワークスアプリケーションズは多くの新卒社員が集まる人気企業です。(昔は上場しておりましたが、MBOにより上場を取りやめました。)

”働きがいのある会社”調査で必ず上位のワークスアプリケーションズにはどんな秘密があるのでしょうか?現在のCEOの牧田氏も日経BPの取材を受けており、昔は離職する社員には悩んだそうです。そこで、「働きがいのある会社調査」に参加し、社員の声を聞き改善した結果、2016年の働きがいのある会社ランキングでも3位にランクインされました。

引用先:日経ビジネス「働きがいを求めてはいけない」

引用先の記事にも書いてある、一度辞めた社員が5年以内ならば、ワークスアプリケーションズに戻れる「カムバックパス」や、最長13年にわたって出産と育児を支援する「ワークスミルククラブ」は面白い仕組みです。当然フレックス勤務対応です。

給料も高く、平均給与は600万円を超えます。ただし、給与で優遇されるのは、30代までで、中堅社員になると給与の昇給がだいぶ押さえられます。しかし最低限以上の福利厚生と給与がしっかりもらえる会社です。

2019年に経営難に陥ってましたが、HR事業売却により復活!

詳しいことはわかりませんが、新製品の開発費用や、人件費がかさみ、債務超過ギリギリの危険水準におちいっておりましたが、収益部門のHR事業を売却したり、人員整理を進めるなどして、危機を乗り切りました。

有名社長であり創業者の牧野氏もCEOを退職し、ワークスアプリケーションズを離れてしまったようです。現在は、ワークスアプリケーションズは危機を乗り越えております。

ワークスアプリケーションズの牧野CEOが退任、取締役も退く予定

その後、牧野氏はパトスロゴスという、DXを推進する企業のCEOに就任しており、メディアにも出演しているようで、まだまだ健在です。どこかで牧野氏が「IT業界のエンジニアは元ワークス社員が圧倒的に優秀」という対談を見ましたが、優秀なのは間違いないですが、多少誇張があるのではないかと思った次第です。

COMPANY EC Seriesの特徴やメリット

さて、ワークスアプリケーションズ全体の話や歴史ばかりとりあげてきましたが、当ブログはECプラットフォームを中心に取り扱ったブログなので、話をECに戻します。それでは「COMPANY EC Series」の特徴をとりあげます。

4つの製品ラインナップがある「COMPANY EC Series」

COMPANY EC Seriesの最大の特徴はALL in one パッケージということです。ECサイトのフロント機能からバックエンド機能はもちろん、コールセンターで使う問い合わせ対応システムから、マーケティング分析機能の全てをシリーズで、もっているのは最大の強みです。それでは各シリーズを紹介してまいります。

①COMPANY CMS

ECのフロントまわりを作るコンテンツ・マネジメント・システムです。ECの売り上げを拡大するためのECの一般的な機能はだいたい実装されています。(LPO、EFO,レコメンドシステム、ランキング等)そして当然CMSですのでワークフローや公開管理も全て行えます。

ただし、公式ホームページをみると機能の文言に「SEO」という文言がありましたが、どのECプラットフォームでもSEOが優位という事はありません。SEO対策が可能という意味でとらえておきましょう。

また、COMPANYが面白いのは、一度導入するとお客様の要望の高い機能を標準機能として追加するところです。しかし、多くのお客様の要望を標準機能としていれなくてはならず、なかなか新機能追加が追いついていない側面もあるようです。

②COMPANY E-Commerce

ECのバックエンド機能「顧客情報管理」、「商品情報管理」、「受注、配送管理」を管理しるシステムです。「COMPANY EC Series」を導入するということは、すでに基幹システムが「COMPANY」ですから、基幹システム連携がスムーズです。

③COMPANY E-support

コールセンターや定期販売などの問い合わせ管理のシステムです。やはりCOMPANYの最大の特徴はALL in one ということもあり、通常のECパッケージでは、対応しておらず、他のベンダーシステムとの連携になってしまいますが、「COMPANY」ならば、すべて同じ製品群でサービスをまかなえます。

しかし、これは連携という面ではメリットですが、ある機能に特化したベンダーがあった場合、たいていその機能に特化したベンダーの会社のソフトウェアのほうが優れている場合があります。そういった場合は、連携のためにカスタマイズが必要になったりしますので、注意が必要です。

④COMPANY E-Marketing

効果測定や分析を行い、顧客データからOne to One施策までおこなうシステムです。現在ECパッケージ大手がこのマーケティング機能やコンサルティング部門に力をいれており、当然COMPANY EC Seriesでも対応しています。

先ほどと同じ話ですが、分析やマーケティング機能に特化したベンダーのソフトウェアが優れている場合が多いですが、大げさなシステムではない限り、タグ埋め程度で連携可能なので、他社マーケティングソフトを使う場合でもカスタマイズ費用は大きくはかかりません。

ですから、COMPANYで全てをそろえるのか?それとも各機能は他のベンダーを検討するのか?「COMPANY EC Series」導入の際は検討するポイントにしましょう。

資生堂グループのベアエッセンシャルに採用された「COMPANY ECシリーズ」

すでに解説したとおり、COMPANYの強みはECだけでなく、コールセンターのシステムももっています。テレビ通販やテレビコマーシャルを行うような大企業には、コールセンターはかかせませんから、COMPANYであればECとコールセンターの連携が強みです

下記をご覧ください。

公式サイトにあった、図ですが、ほぼほぼCOMPANYで統一できてます。こういう連携はCOMPANYは非常に得意なのです。

COMPANY EC Seriesの価格感は?

ワークスアプリケーションズ費用感

ワークスアプリケーションズはECパッケージ業界では最高級のシステムです。またワークスアプリケーションズのユーザーも超大手ばかりなので、中小企業には導入が難しいでしょう。

そもそも基幹システムに「COMPANY」を導入している企業が、導入しているシステムですから、ECシステムだけを切り取って導入する企業は少ないと思います。

ただこの価格に裏付けられるように、しっかりした開発をする会社です。

ワークスアプリケーションズのライバル会社

コマース21

コマース21はワークスアプリケーションズと同様にECパッケージ業界の高額パッケージのカテゴリーに所属しますから、顧客層も完全にこの二社はかぶっています。コマース21はソースコードを開示していますので、構築後は自社で保守管理したい場合は、コマース21がいいでしょう。

また繰り返しですが、COMPANYが基幹システムとして使っているなら、ECもCOMPANY EC Seriesの方が連携が格段にスムーズです。(なにせシステム連携は失敗例が豊富にあるくらい大変ですかね。)

コマース21の記事についてはこちら → コマース21の最近の評判は?【大手の導入実績ナンバー1】

ecbeing や ebisumart(えびすマート)

中・大規模向きのECパッケージだった「ecbeing」や、カスタマイズできるクラウドECのebisumartは、年々その機能性と拡張性を向上させており、高額なECパッケージのカテゴリーにも進出してきております。

現在のECパッケージ業界では、高額ECパッケージの「ワークスアプリケーションズ」や「コマース21」あるいは「システムインテグレーター」は、パッケージとしては高額すぎるため、もう少し価格の安いECパッケージも大手企業が導入するケースが増えております。

今後はさらに競争が激化すると思われます。

ecbeingの記事はこちらから → ecbeingの評判は?【大手ECパッケージ】

ebisumartの記事はこちらから → ebisumartの評判【中・大規模EC向きのクラウドEC】

最後に

本日はワークスアプリケーションズの評判をまとめてみました。冒頭に触れたとおり、ワークスアプリケーションズはERPでNo’1の大企業ですが、ECシステムとなると、高額な「COMPANY EC Series」の導入は筆者としては疑問があります。ただし、「COMPANY」を含め、自社のあらゆるシステムをALL in one でお願いしたい場合は、ワークスアプリケーションズが最強ではないでしょうか?

ただ、あれからコロナ禍を経て、いろいろあり、ワークスのホームページみても「COMPANY EC Series」がどこにも出てきておりません。稼働しているのは間違いないのですが、新規向けの開発はやめてしまったのでしょうか・・知っている方はコメントお待ちしております。

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